【点鼻薬の使い過ぎには要注意!?】鼻炎用点鼻薬に配合される成分名とその特徴 | セルフメディUP 登録販売者が教たい自分に合った市販薬の選び方

セルフメディUP 登録販売者が教たい自分に合った市販薬の選び方

ドラッグストアの医薬品・日用雑貨をテレビCMや広告のイメージだけで選んでいませんか?かぜ薬ひとつ取っても配合成分はさまざま。商品選びはまず成分表示から!登録販売者が正しい選び方についてご紹介しています。

鼻かぜやアレルギー性鼻炎の3大症状

(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)を緩和させる市販薬には、

鼻炎用内服薬(飲み薬)と点鼻薬の2種類あります。


鼻炎用内服薬は、主にくしゃみ、鼻水といった

アレルギー症状に効果的です。


点鼻薬は、血管収縮成分を主体とした医薬品ですので

鼻づまりに有効とされます。


点鼻薬には血管収縮成分以外に

抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗炎症成分、なども含まれますが、

内服薬とはまた違った成分が多いので、ご紹介したいと思います。



血管収縮成分


効能効果は、内服薬と同じく鼻づまりの改善です。


ナファゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩などが

点鼻薬に使用される血管収縮成分です。


名前の最後が「○○ゾリン」や「□△リン」となっていることが多いので、覚えやすいでしょう!



抗ヒスタミン成分


効能効果は内服薬と同じく、ヒスタミンのはたらきを抑えるのが目的です。


ただ、点鼻薬は局所的な作用ですので、

内服薬ほどの効果は期待できないかもしれません。


点鼻薬に配合される抗ヒスタミン成分のほとんどが

クロルフェニラミンマレイン酸塩を使用しています。



抗アレルギー成分


クロモグリク酸ナトリウムが点鼻薬の抗アレルギー成分として使用されます。


クロモグリク酸ナトリウムはアレルギー性鼻炎には効果がありますが、

アレルギー性鼻炎以外の鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)に効果がありません。


3日間使用して効果を感じない場合は、

アレルギー以外の鼻炎の可能性が高いです。



ステロイド成分


市販の鼻炎用点鼻薬には、ステロイド成分を含むものがあります。


ステロイド成分は強い抗炎症作用をしめします。


プレドニゾロンを配合したタケダの「コールタジン」

べクロメタゾンプロピオン酸エステルを配合した

「コンタック鼻炎スプレー」がこれに当たります。


*プレドニゾロンはだいたい5分くらいで作用があらわれ、5~8時間ほど効果を持続させます。


ステロイド成分は高い効果を持つ分、

副作用もあり、使用回数が決められているので、

用法用量を守って使用してください。



局所麻酔成分


鼻粘膜の痛みやかゆみを抑える目的

リドカイン、リドカイン塩酸塩などが

配合されている場合があります。



殺菌消毒成分


塩化ベンゼルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム


これらは、鼻粘膜をキレイにたもち、

細菌による二次感染を防ぐ目的で配合されています。


どの成分も陽性界面活性成分で、

黄色ブドウ球菌、溶血連鎖球菌、カンジダなどの

真菌類に対して殺菌消毒作用があります。


結核菌やウイルスには効果がありませんので、覚えておいてください。




鼻炎用点鼻薬の注意点


市販の鼻炎用点鼻薬にはほぼ確実に

血管収縮成分が配合されています。


これは国が定めた基準で、

市販の点鼻薬には血管収縮成分を

配合しなければいけない決まりがあります。


血管収縮成分は、鼻づまりを改善する成分ですが、

使用回数が多いと逆に鼻づまりを起こしてしまう

可能性があるので注意が必要です。


点鼻薬を連用すると血管が収縮し過ぎて、

十分な酸素を確保できなくなります。


そして、今度は酸素を取り込むため

血管を広げようとします。


血管が拡張すると...




炎症再発 → 浮腫 → 鼻づまり




このような悪循環におちいるのです。


目の奥が痛くなったり、頭が痛くなった場合は、

すぐに点鼻薬の使用をやめましょう。


もしくは、3日間しても改善されない時は、

アレルギーとは別の原因かもしれないので

耳鼻科などの専門医に診てもらうことをオススメします。