「花粉症のクスリで眠くなる成分が入っていないものありませんか?」はい、ございます!! | セルフメディUP 登録販売者が教たい自分に合った市販薬の選び方

セルフメディUP 登録販売者が教たい自分に合った市販薬の選び方

ドラッグストアの医薬品・日用雑貨をテレビCMや広告のイメージだけで選んでいませんか?かぜ薬ひとつ取っても配合成分はさまざま。商品選びはまず成分表示から!登録販売者が正しい選び方についてご紹介しています。

2月~3月にかけて、ドラッグストアで1番売れるおくすりは何かご存知ですか?


そうです!!


花粉症やアレルギー性鼻炎の症状を緩和させる鼻炎用内服薬や点鼻薬です。


内服薬だと「パブロン鼻炎カプセルS」、「コンタック600プラス」、「ストナリニS」など

点鼻薬だと「ナザール」、「パブロン点鼻」、「新ルル点鼻薬」などを

みなさん、指名買いされる方が多いように思います。


鼻炎用内服薬の主薬となる成分は

「抗ヒスタミン成分」というくしゃみ、鼻水などの

鼻炎症状を緩和させるものです。


しかし、この抗ヒスタミン成分の副作用として

「眠気を誘発させる」という作用があるのです。


くしゃみ、鼻水はおさえたいけど、

眠くなるのはちょっと...


と思っている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?


ドラッグストアに来られる方にも、

「眠くなる成分が入っていない鼻炎薬はありませんか?」

と相談される方は少なくありません。


「鼻炎薬=抗ヒスタミン成分」と言うくらい

抗ヒスタミン成分は鼻炎症状と密接に関係しています。




ですが、実はあるんです!!




「眠くなる成分が入っていないおくすりが!!」





それは、「小青竜湯」という漢方薬です。




今回は、花粉症やアレルギー性鼻炎に多いとされる

サラサラと流れ出るような鼻水を緩和させ、

しかも眠くなる成分が入っていない

漢方薬「小青竜湯」についてご紹介致します。



小青竜湯とは


花粉症やアレルギー性鼻炎に多いサラサラとした

水っぽい鼻水に効果をしめす漢方薬です。



効能効果

体力中等度で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの諸症状

気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症など


難しい言い回しですが、

要するに急性の鼻炎で、くしゃみ、水っぽい鼻水、涙目といった症状に使用する漢方薬です。


虚弱体質、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、

悪心、胃部不快感といった副作用が起こることがあるそうですが、

よほどの虚弱な体質でないかぎりは、

そこまで気にする必要がないと思います。



構成生薬


半夏(ハンゲ)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、

五味子(ゴミシ)、細辛(サイシン)、麻黄(マオウ)、芍薬(シャクヤク)



この8つの生薬から小青竜湯は構成されています。


漢方薬には、化学成分は含まれていません。


自然の生薬による有効成分で体質を改善していきます。


それぞれの生薬の効能効果を見ていきましょう!



麻黄・桂皮カラダを温めて発汗させ寒気を取り去る


乾姜・細辛肺を温めて余分な水分を代謝させる


半夏・五味子せき止め、たん切り


芍薬・甘草補血作用(血流を良くする)



小青竜湯は、カラダを温めて体内にたまっている

水分を蒸発させ乾燥させるはたらきによって、

水っぽい鼻水やたんを改善させる漢方薬なのです。


小青竜湯のポイントは、

水分代謝の悪化(水滞)によって起こる

水っぽい鼻水やたん、むくみなどの

症状に使用すると覚えておいてください!!


花粉症だけでなく、鼻かぜにも使用できます。



小青竜湯の副作用


漢方薬には、副作用がないと思われがちですが、

決してそんなことはありません。


生薬にも、化学成分と同じような作用をあらわすものがあることを覚えておいてください。


まれに起こる重篤な副作用


肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症など


小青竜湯には、甘草(カンゾウ)が含まれているため、

偽アルドステロン症になる可能性があります。


また、麻黄(マオウ)には、アドレナリン作動成分が含まれています。


交感神経を刺激するため、

心臓や血管に病気を持っている方(高血圧、心臓病、脳卒中など)は

お医者さんや薬剤師と相談して使用しましょう。



化学成分で作られた鼻炎薬と

生薬から出来ている小青竜湯では

症状の改善の仕方が異なります。


小青竜湯は抗ヒスタミン成分、抗コリン成分を含まないので、

眠気や便秘といった鼻炎薬特有の副作用はありません。


漢方薬って何か難しそうでよくわからないという方も、

かぜの時の葛根湯と同じくらい

小青竜湯は花粉症の時期によく利用される漢方薬のひとつです。



ぜひ試してみてください!!