【鼻炎用内服薬の成分その2】血管収縮成分、抗炎症成分、カフェイン類の特徴と成分名 | セルフメディUP 登録販売者が教たい自分に合った市販薬の選び方

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ドラッグストアの医薬品・日用雑貨をテレビCMや広告のイメージだけで選んでいませんか?かぜ薬ひとつ取っても配合成分はさまざま。商品選びはまず成分表示から!登録販売者が正しい選び方についてご紹介しています。

前回、【鼻炎用内服薬の成分その1】では

抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗コリン成分の

種類と特徴についてご説明致しました。


これらは、くしゃみ・鼻水といった鼻炎症状を

緩和させる作用を持つ成分でした。


今回は、鼻炎薬に配合されている

血管収縮成分、抗炎症成分、カフェイン類についてご説明致します。



血管収縮成分


鼻づまりは、ヒスタミンのはたらきによる

血管拡張作用で、鼻粘膜が浮腫し起こります。


そのため、鼻づまりを改善させるには

血管を収縮させ、浮腫を取り除く必要があります。


血管収縮は、交感神経を刺激することによって作用します。


血管収縮成分は、交感神経系の伝達物質である

「アドレナリン」と似た作用をするので、

「アドレナリン作動成分」とも言われます。


内服薬に使用されるアドレナリン作動成分には、

プソイドエフェドリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩などがあります。


特にプソイドエフェドリン塩酸塩は、他の血管収縮成分と比べて

中枢神経系に対する作用が強いとされています。


アドレナリンを刺激して興奮作用があるので、

副作用として不眠や神経過敏といった症状が出ることがあります。


また、依存性があることも知られているので、

長期連用はひかえましょう。


プソイドエフェドリン塩酸塩以外の成分は、

比較的副作用が強くないとされています。


しかし、交感神経を興奮させる作用には間違いないので、

心臓病や高血圧、糖尿病などをわずらっている方は

一度お医者さんや薬剤師に相談してから市販の鼻炎薬を使用してください。



抗炎症成分


鼻炎は鼻粘膜の炎症です。


この炎症を緩和させるために

塩化リゾチーム、グリチルリチン酸二カリウム、カンゾウなどが配合されています。


塩化リゾチームは消炎酵素剤と呼ばれる

組織の修復に関係する酵素です。


また、塩化リゾチームはニワトリの卵の白身(卵白)から作られた成分です。


卵アレルギーの方は、リゾチームと記載されている

医薬品は使用できませんので、成分表示を必ずチェックしてください。


グリチルリチン酸は抗炎症作用を持つ

ステロイドと構造が似ているため、

炎症を抑える効果があります。


ただし、グリチルリチン酸は長期間もしくは大量に摂取してしまうと、

偽アルドステロン症を誘発する可能性がありますので、注意してください。



カフェイン類


鼻炎症状によって起きる頭重感をやわらげたり、

抗ヒスタミン成分の副作用「眠気」の緩和のため配合されます。


しかし、鼻炎薬に配合されるカフェインだけでは

眠気を取り除けるわけではないので覚えておいてください。