ポコアポコオリジナル紙芝居を読み、
自分の宝物をイメージしてポコアポコガードを選びます。
ガードの絵や色を参考にしたり、自由に宝物をイメージして描いていきました。
小さな子どもたちほど、なんの躊躇もなく、
上手か下手かなんて関係なく自由に手を動かしながら描いて行きます。
大人の方のほうが、
「えー下手なんだけど、上手く描けないわ」
と、戸惑ったり手がとまったりします。
作品の出来栄えを言えば、
そりゃあ、決まったデザインと決まった手順があって、完成形が見える方がいいに決まっています。
だけど、子ども、も大人も、
描いていくプロセスの中で変化していく色や形を楽しんだり、
上手く形にならないけど、心のなかでイメージしたものを外に表現しようとする、その作業こそが大切なんじゃないかなあ、と思うのです。
色も形も考えなくてもいい楽しさ、完成形が見える絵の楽しさは、トールペイントで私も充分知っています。
だからこそ、パステルアートセラピーは、
形のない楽しさ、自由に表現する楽しさを体感してもらいたいなあ、と思うのです。
昨日来て下さった小学6年生の男の子さん二人。
お一人は。「どうしたらいいかな」のカードを選んでいました。
大胆に木を描いて、背景に黄色い光を描いていたら、赤い太陽になり、だんだんに太陽が炸裂していき、風が吹きました。
今までの自分の経験が宝物になって、大きな木になり、光が射し、エネルギーが爆発して、よい風が吹いてくる。
そんな、変化を絵を通して体感してくれたのかなあと思います。
と、大人っぽく答えてくれました。
お母様とお話しすると、友達ともケンカになるのが嫌で、仲裁役をしたり我慢することもあるそうです。
自分の中の真実が宝物なんだね、と伝えると、
恥ずかしそうに笑っていました。
彼の描いてくれた絵は、最近読んだ本に出てくる
「オコジョさん」。
オコジョさんを自分で描いたものを持参してくれていました。オコジョさんを描きたいようだったので、そのまま描いてもらいました。
「パステルなんだから下書きしちゃダメじゃん。」と、ママは言って下さったのですが、それはそれでいいかなって思います。
大切なのは、子どもたちの中にある表現したい気持ちを引き出してあげることだから。
可愛いオコジョさんが岩場で気持ちよさそうにしている絵でした。
「このオコジョさん、なんて言ってる?」
と聞くと、
「あ、そこまでは考えてはいなかったですね。」
と、楽しい反応が。
「もし、何か言ってるとしたら?」
と更に聞くと、
「うーん、綺麗なところだな。気持ちいいな。かなあ。」
と答えてくれました。
眼下に広い原っぱが広がる岩場に立ち、気持ち良さそうにしていられる場所は、彼の宝物なのかもしれませんね。
こうして絵を描きながら、
会話をしたり、
表現の斬新さにビックリしたり、
感心したりする時間、
そのものが私にとって宝物なんだなあと思います。
お一人おひとりにドラマがあり、
絵を描きながら伺ったお話しは、とても素敵です。
大人も子どもも、肩の力を抜いて
肩書きや、こうあるべきという鎧を脱いで、
本来の自分に戻る時間を一緒に過ごさせていただけたらな、と思います。