私が2年2組のみんなに向けて書いた文章です。
ぜひ読んでみてねっ♪ご参考まで・・・(参考になるのか!?)
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Eの母です。
みなさん、いつもEと一緒にお勉強したり、遊んだりしてくれてありがとうございます。
でも、みんなはきっと
「なんでEくんは体育や図工の時間だけ一緒にいるの?いつもはどこにいるの?」
「なんでEくんはちゃんと歩けるのに1人先生がついているの?」
「なんでEくんはキャーって叫んだり、話しかけても無視したりするのに先生に注意されないの?」
という風に、同じ小学校の仲間なのに自分たちと違うのはなぜだろう?と不思議に思ったことがあると思います。
それは、Eには「自閉症」っていう目に見えない障害があるからです。
障害は病気とは違って、一生治ることはありません。
風邪みたいに、薬を使って治すこともできません。
骨が折れたときみたいに、入院して手術をしても治りません。
「自閉症」という障害は人と目を合わせられなかったり、うまくお話が出来なかったり、お話の内容がよくわからなかったり、お友達と上手に遊べなかったりなどの特徴があります。よく「目に見えないこと」がわからないっていいます。例えば、お話とか時間とか、です。
でも、自閉症という障害があっても、みんなと同じように話したり、勉強したり、遊んだりするにはどうしたらいいのか?
どうしたらEや周りのみんなが困らないように、一緒に過ごせるのか?
どうやって話しかけたらいいのか?どうやって関わって行けばいいのか?
私は自閉症のことを勉強して、いろいろ考えました。
そうしていくうちに一番大切なことは、私たち家族はもちろん、学校の先生やお友達など周りの人たちがEのことを理解して、対応してあげることだということを発見しました。
だから、みんなに「なぜEが不思議なことをしているのか」ということを、少しでもわかってもらいたくて、今日はE本人に代わってお話させてもらう時間をいただきました。
Eは生まれてすぐの頃から、他のみんなと違うなと思うことがたくさんありました。
他の子と比べて、みんなは教えなくても簡単に出来るようなことが、Eは何度教えても、大きくなってもできませんでした。
赤ちゃんのころは相手の目を見てバイバイと手を振ったり、にっこり笑うことが出来ませんでした。母親である私とも目が合いませんでした。
1歳のころは呼んでも返事をしない・・・というか、振り向きもしない。Eという人はこの世に存在していないようでした。
歩くのが上手になったころには、人がたくさんいるところに連れて行くといつもそこから一目散に逃げ出して行き、駐車場に飛び出したりしていました。じっとしてることも少なく動き回るので目が離せないこどもでした。
私の育て方が悪いんだろうか、お腹が大きい時に風邪をひいて薬を飲んだから?おっぱいをあげるときにちゃんと目を見なかったから?・・・とずっと自分を責めていました。
そんなEの行動を不思議に思っていた2歳のころ、病院で「自閉症」と診断されました。
Eの不思議な行動は、育て方のせいじゃなくて障害なんだということがわかりました。
それから、Eは学校に入る前まで、発達支援センターという障害のある子どもたちのための幼稚園のようなところへ通って、少しでもみんなと同じように行動できるように練習してきました。
小学校に入学してからは、ひまわり学級に入りました。
国語や算数は、みんなと一緒に勉強するよりも先生と1対1で勉強した方が身に着くからということで、みんなが2年2組で勉強しているとき、Eはひまわり2組でI先生と勉強しています。
体育や図工は、Eにとってはみんなと一緒に行動する練習をする時間でもあります。先生が1人ついているのは、Eがどうやって動いたらいいかわからなくなったとき助けてもらうためです。
授業以外に、体育館に全校児童や同じ2年生が集まってお話を聞いたりすることが時々ありますよね。Eは今でもこの時間がとっても苦手で、逃げ出したくなります。
苦手ってわかりますか?みんなも苦手なことって1つはあると思います。
例えば、注射が苦手な人は小さい頃は泣いたり逃げ出したりしていたけど、2年生になった今は逃げたいけどあの頃に比べると、ぐっと我慢して注射を受けられるお兄さんお姉さんになっていますよね。
Eも同じで、苦手なことはしたくないし、苦手な場所から逃げ出したいけど、本当は頑張ってみんなと同じように一緒にしなきゃいけないんだ、という気持ちがあります。
その葛藤?ジレンマ?からキャーと叫んだりしてしまいます。
でも、いつまで頑張ったら安心できるひまわりに帰れるのか、自分はどこに居ればいいか、いろんなことが不安で仕方がないんです。でも、1年生のころからずっと練習してきたし、先生がついていてくれる。だから、苦手だけど1年生のころよりもずっと落ち着いてその場に居れるようになりました。
苦手なことは誰にでもあります。N先生やみんなのお母さんたちにももちろんあると思います。
障害のあるEは苦手なことがみんなより多かったり、毎日の生活で必要なことが苦手なことだったりするだけなんです。
みんなと同じことができないからひまわりにいるんじゃなくて、ひまわりに居ながらいろいろなところへ行ってみるという方法がEには一番いいからなんです。
せっかくあいさつしてくれても無視してしまったり、質問に対して変な答え方をしたりすることがあると思います。本当にごめんなさい。
でも、わざとじゃないんです。なんて答えていいか、答え方が分からないんです。
目にみえないことが分かりにくいので、頭の中で言葉を選ぶのが難しくて、一生懸命考えているうちに時間が経っているんです。
そういうときはできれば「○○と△△、どっちにする?」というように答えやすくしてもらえたら嬉しいです。
それか、こっちだよと手招きジェスチャーをしたり、実物を見せたり、絵や写真を見せたりしてもらえたらもっと分かりやすいです。
Eは2年2組に行くのが好きで、みんなのことが大好きです。
家では「今日は2-2で給食を食べたよ!」と教えてくれることもよくあります。
でも、どうやってみんなと仲良くしたらいいかが分からない時があります。
話しかけてもらって嬉しかったとき「ありがとう」と言うのが難しいから、ギューっと抱きついてしまったりすることもあります。相手が今何をしているかを考えずに体が動いてしまうので、返って嫌な思いをさせてしまったらごめんなさい。
そういうときは「ありがとう」って言ってね、それか握手でもいいよ、という風にみんなが先生になって正しい方法を優しく教えてあげてください。
それから、みんなと仲良くしたい思いから、大好きなお魚の絵を見せに来たりすることがあると思います。
そのときは今度はみんなが生徒になって「すごいね!」「上手だね!」「なんて言う魚なの?」とEに声をかけてやってください。
もし、何かをしている途中に割り込んできたりしたときにはまたみんなが先生になって
「今、○○をしているから、ここに座って待っててね」とジェスチャーつきで優しく言ってみてください。
はじめに「風邪のように、自閉症に効く薬はない」と言いましたが、周りのみんながEの障害のことを知って声をかけてくれたり、教えてくれたり、優しくしてくれることが一番の薬なんだと思います。
たくさん話してしまいましたが、もしもEにどうやって話していいか、どうやって遊んであげたらいいかわからなくなったら、N先生やひまわりのI先生、Eについてくれている先生に聞いてみてくださいね。
優しく教えてくださるはずだし、Eにもうまく伝えてくださいます。
保護者の皆様方にもEのことを知っていただきたく、本日お話させていただきました。
何かご質問やご迷惑をお掛けすることがありましたら、遠慮なくおっしゃってください。
長くなりましたが、1年間、2年2組の一員としてEをどうぞよろしくお願いいたします。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。=================================
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