今売れている大衆薬 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)医学翻訳担当の平井と申します。

医学翻訳大衆薬の地盤沈下が始まったのは昭和40年代です。その原因の一つはビタミン剤や強肝剤など、滋養強壮剤(revitalizer)に対する無効論の始まりでした。さらにアンプル入りかぜ薬を原因とする薬害が起きて成分が規制されたこと、意志の指示がなければ販売できない「要指示薬」への変更の結果、薬局と薬店で自由に売れる薬が少なくなったことも関係しています。

これにとどめを刺したのは国民皆保険が実現したことにあり、大衆薬に頼らずとも診療を受けて薬をもらえるようになったためですが、ここへきて再び大衆薬が見直されようとしています。その理由は国民医療費の高騰にあります。保険財政の破綻を防ぐ方法として胃炎やかぜなど軽い病気は大衆薬に任せようとの考えが出てきたからです。

栄養補給型ドリンク剤には各種のビタミンを配合した100ml容量の製品と、20mlから50mlの容量で生薬などを配合したミニドリンク剤があります。かつては薬局のドル箱でしたが、1999年の規制緩和により一部が医薬部外品となって、コンビニやスーパー、高速道路のサービスエリアなどで販売できるようになりました。この方面での販売額は増加したもののこのところ全体としてやや停滞ぎみで、100mlドリンク剤は約1300億円の市場になっています。一方、ミニドリンク剤は医薬品としての売り上げが多く、医薬部外品は全体の45%程度にとどまっています。トップ商品はリポビタンD(大正製薬)で、以下はミニドリンクのユンケル黄帝液(佐藤製薬)、ミニドリンクのリポビタンD(大正製薬)、エスカップ(エスエス製薬)、アリナミンV(武田薬品)などがひしめいています。

かぜ薬に関しては、総販売額が約600億円でトップ商品がパブロン(大正製薬)であり、以下はベンザ(武田薬品)、ルル(第一三共)、エスタック(エスエス製薬)、ジキニン(全薬工業)の順になります。医療用医薬品を転用したスイッチOTCや漢方処方中心の製品もあって幅が広いです。

外用消炎鎮痛剤の販売額はおよそ500億円で、湿布薬(anti-inflammatory analgesic plaster)、消炎鎮痛外用剤、育毛剤(baldness remedy)、水虫薬などが含まれます。消炎剤鎮痛剤のインドメタシン(indometacin)が一般用外用医薬品の成分として認められてから、この分野の売り上げは増加しました。バンテリンの興和、サロンパスやサロンシップの久光製薬の2社で、ほぼ売り上げの50%を超えます。育毛剤ではリアップ(大正製薬)、カロヤン(第一三共)が群を抜き、水虫薬では大正製薬のダマリン、第一三共のラミシールATなどが大きなシェアを誇っています。テレビCMでおなじみの製品が好調だということがわかります。


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