ベルリン国際映画祭 (美術翻訳担当 佐々木) | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。美術 分野の翻訳 を担当している佐々木です。今日は、先日行われたベルリン国際 映画祭(Berlin International Film Festival)についてです。


ご存じの方も多いと思いますが、若松孝二監督の「キャタピラー(Caterpillar)」で主演を務めた女優の寺島しのぶさんが、最優秀女優賞(Silver Bear for Best Actress)を受賞しました。手足を失って戦場から帰還した夫を迎える妻という難しい役柄を表現した演技が高く評価され、栄冠に輝きました。


3大国際 映画祭と言われる、ベルリン、カンヌ(Cannes International Film Festival)、ベネチア(Venice International Film Festival)の俳優部門では、過去に4人の日本人しか受賞しておらず、ベルリン映画祭での最優秀女優賞の受賞は1975年の田中絹代さん以来で、35年ぶりの快挙です。


昨年の米アカデミー賞(Academy Awards)でも、滝田洋二郎監督の「おくりびと(Departures)」が外国語 映画賞(Academy Award for Best Foreign Language Film)、加藤久仁生監督の「つみきのいえ(La Maison en Petits Cubes)」が短編アニメ映画賞(Academy Award for Animated Short Film)を受賞するなど、近年は海外での日本映画の活躍が目立っています。


昨年の邦画の国内興行収入は1,173億円で、2000年に統計が発表されるようになって以来、最高額を記録しました。また、国内興行収入に占める邦画の割合は57%に上るなど、アメリカ映画が映画界の中心となる中で、高い数字を維持しています。


しかし、興行成績の上位を占めた作品の多くは、人気のあるテレビ番組を映画化したものであり、日本映画の輸出額は年間約60億円程度と輸入額の10分の1に過ぎません。今後は積極的に人材を育成するとともに映画祭の規模拡大を図るなど、日本映画の質を高め、世界に通用する作品を生み出す環境を整備していくことが必要となるでしょう。


美術翻訳 担当 佐々木