政府による補助金縮小や円安の影響で、ガソリン価格の上昇が止まらない。
経済産業省が16日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、前週から1円60銭高い181円90銭だという。
茨城県は1円70銭高い179円70銭で全国平均以下だが、ドライバーの中には遠出を控えたり、公共交通への移行を探ったりする動きも出始めているそうだ。
同県水戸市河和田のガソリンスタンド「シンエネ水戸SS」は7日から、レギュラーガソリン1リットル当たりの販売価格を3円引き上げ179円としているという。
給油に訪れた同市の会社員男性(37)は「ガソリン価格が上がっても会社の通勤手当は変わらないので、出費が増えるばかり。これ以上は勘弁してほしい。」と嘆いていたそうだ。
宮城県仙台市の自営業男性(30)は「国の補助がなくなるのは仕方ない。何とかして移動費を抑えるしかない。」と諦め顔で話したという。
水戸市の無職男性(81)は「値上げは我慢するしかない。」と一定の理解を示す一方、「遠出を控え、省エネ運転で節約する。移動手段をバスに変えることも考える。」などと語ったそうだ。
値上がり(全国平均)は13週連続で、2008年8月以来約15年ぶりの高値になっているらしい。
政府は昨年1月から補助金を出して価格上昇を抑えてきたが、今年6月からは段階的に縮小し、9月末には終了予定とし、ガソリン価格上昇は今後も続く見通しになっている。
価格上昇で、GS側が懸念するのが顧客離れとの事で、同店店長の南和樹さん(43)は、価格上昇で「夏休みの外出シーズンの売り上げも低迷するのではないか。」と予測し、顧客離れを防ぐため、利用者が安く給油でき、1リットル当たり最大11円安くなるサービスを導入して周知に努めているということだ。
今後も値上がりが見込まれる中、南さんは「値引きをアピールし、できる限り安く給油してもらうしかない。」と話したという。
資源エネルギー庁の調べでは、茨城県内のレギュラーガソリン小売価格は、2021年10月に1リットル当たり161円90銭を記録し、同月から160円を下回ることはなく、今年3月末には163円90銭、5月末に165円10銭、7月末に173円50銭と上昇基調で推移してきている。
県石油商業組合の稲葉修一理事長(73)は「一番大変なのは国民。10月から補助金がゼロになったら、このままいくとレギュラーガソリン価格が1リットル190円台になってしまう。」と懸念を示しているそうだ。
これではプライベートでの車使用はもちろんのこと、仕事での使用についてもできるだけ効率を重視した方法を検討せざるを得ないだろう。
ガソリン補助を打ち切るよりも、国会議員の歳費削減や文書交通費の使用効率化(透明化)を優先してもらいたいものである。