フライトジャケット愛好家にとっても興味深い民間モデル。
バズリクソンのフライトジャケットをご紹介します。
フライトジャケットも色々ありますが、特にその世界を面白くさせているのが、"民間品"の存在と言えます。いわゆるCIVILIAN MODELという物で、官給品のジャケットとはディテールが異なっていたり、マテリアルに差異が見られたりと様々ですが、その数は稀な為、稀少性が高いものとされています。
今回復刻されたのは、COLVINEX社が民間用に作ったB-15です。
COLVINEX社は大戦前後に電熱線を有するフライトスーツ等を製造していたメーカーで、民間向けとしてB-15を製造していたのも非常に興味深いところです。
官給品のB-15は、表地の素材はコットンツイルですが、このモデルは海軍のデッキジャケット等に見られるコ ットングログランが使用され、オフセットされているはずのフロントファスナーはセンターに移動されています。
他にも興味深い違いがありますが、それは写真を見ながらご紹介しましょう。
「バズリクソン フライトジャケット B-15 "COLVINEX CORPORATION" CIVILIAN MODEL BR-14144 01 カーキ」 です。
官給品のB-15は、表地はオリーブのコットンツイルですが、このモデルはN-1等に使われているるコ ットングログラン、ジャングルクロスです。
色もカーキベージュです。 カーキのB-15も渋いですよ。
B-10はポケットがフラップ付きの上から入れる四角いポケットですが、B-15はポケットが横から入れるタイプです。
ポケットの中にはコ―デュロイ張りになっており、ハンドウォーマーの役目もあります。
官給品のB-15はジッパーの位置が真ん中からずれて付けられるオフセットという仕様ですが、この民間モデルはセンターについています。
そしてリブはエンジの赤リブなっていますよ。
カーキのジャングルクロスによく映えますし、赤茶のムートンの色に対応してバランスよくアクセントになっています。
上質感のあるムートン(羊毛)の襟です。
B-15の襟はB-10に比べて大き目なのも特徴です。
このムートンは襟を立てて首を保護する意味もあり、それを固定するのがチンストラップです。
このモデルはレザーになっていますよ。
ベルトが邪魔になる方は、差し込んで収納できる仕組みになっています。
襟元には、当時着用者が手を加えたと思われるホイッスル用のループが設けられて いいます。
面白いですね。
袖にはペン差しと単色のエアフォースマークは入ります。
民間向けでありながら袖にはA.F.マークが付いている事から、実際にフライトジャケットとして大空を飛んだことを物語る、おおらかなアメリカらしい 一着です。
このマークの判で押した雰囲気が良いです。
急遽、軍で使うので、とりあえず押しておきましょう的な感じかもしれませんよ。
後ろです。
ライニングは官給品と同じアルパカです。
冬に暖かい防寒性に優れたフライトジャケットです。
ラベルはCOLVINEXです。
ミルスペックの上に張り付けたような感じが、納入モデルを変更して民間用に改良した等のストーリーを想像させます。
内ポケットが左右に一つずつあります。
クッシュマンの41トラウザーズと合わせみました。
本来はミリタリーの41カーキをベースにしたパンツです。
ワイドなシルエットが程よくインパクトがあります。
民間モデルという事で、ドライボーンズのクラシカルなウールパンツを合わせてみました。
ミックススタイルですが、当時いかにもありそうな感じですね。
デニムパンツは勿論ですが、オーバーオールやウォバッシュパンツ等も合うと思います。
現存する実物は希少な民間品モデルですが、官給品にはない素材やディテールの変更が面白く、またそれがカッコ良かったりしますね。
カーキ色のB-15 しかもジャングルクロスに赤リブと言うのは、正に民間品だからこそありえた仕様です。
とは言えベースが納入業者ですので、そこに宿る雰囲気はミリタリー感があり、その調和がまた魅力に繋がっています。
是非、実物をご覧ください。
62000円 +TAX です。