こんにちは。
劇団EOEの真生で御座います。
このブログでは、劇団EOEへの入団を検討されている方を対象に書いております。
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さて、前回に続き、「腹式呼吸」について話を進めようと思うのですが
いきなり、話を脱線させて下さい。
前回のブログでは、最初のレッスンの際、
「腹式呼吸って、どんな呼吸ですか?」と言ったように
個人レッスンでも、集団レッスンでも、
色々と質問をさせて頂くという話を書かせて頂きました。
今日はそのことについて、更に触れていきたいのです。
最初のレッスンで、私の方から色々と質問をさせて頂くのは
当然ながら、その方がどのような目的でこのレッスンにお越しになって、
どんなスキルを身につけて帰りたいと考えていらっしゃるか
私自身が把握したいというのが、大きな目的の一つです。
人の身体は人それぞれ。
だからこそ、出来る限り、その方のベストな方法を一緒に考えていきたい。
そう、考えています。
でも、実は目的はそれだけではないのです。
というのも、もしかするとですが、
一回目のレッスンは、この質問タイムだけでも
発声のスキルが劇的に進化するかもしれないからなんです。
例えば、今は夏休み期間ですよね。
このブログをご覧になっている方の中にも
今、まさに夏休みを満喫中という方もいらっしゃると思います。
素敵な時間を是非お楽しみ下さい。
ちょっと話は逸れましたが、
そんな夏休み期間中ですので、例年この時期は、
学校の先生方にレッスンをさせて頂く機会に恵まれたりします。
それで、今日は話を進めるために
そんな時にやり取りさせて頂いた、とある会話をここで再現することにします。
最初の質問タイムでの出来事です。
「どうして、レッスンを受けてみようと思われたのですか?」
「声が大きくなりたいと思いまして。」
「どうして、大きな声を出せるようになりたいと思われたのですか?」
「自分では、声が小さいという気はしませんでしたが、
教務主任に、そのようなことを言われたことがあって。」
「そうなんですね。
では、どんな時に大きな声を出せたらいいなと思われますか?」
「子どもを叱る時とかですかね。」
こんな感じで会話はまだまだ続きました。
実は、個人的には、この会話の時、感じていたことは、
「この方は、上司に言われたから仕方なくやってきたんだろうな」
ということです。
集団レッスンだと、
「自分は受けたくないんだけど」という方も中にはいらっしゃいます。
とはいっても、こちらもプロです。
だからといって、手を抜きませんし、
それに、そもそも、質問を繰り返していくうちに
ご本人の中にも、大きな声を出せるようになりたいと言う
気持ちがあることも掴めてきました。
となると、若干かもしれませんが、お手伝いできることはあります。
ということで、その日のレッスンは、
その先生に、いきなり、こんなことをお願いしました。
「では、大きな声を出せるようになりたいということですから
『コラッ』と大声を出して頂きますか。」
何もレッスンをしていない状態ですので、
その方も眼をパチクリされていらっしゃいましたが
とにかく大声を出して頂きました。
「コラッ!」
無理して出されたのか、声を出された後は咳き込まれていました。
それで、それを踏まえ、こんな話をさせて頂きました。
「すみません。いきなり大声を出して頂いて。
それで、今の踏まえて、お話をさせて下さい。
例えば、今、何十階建てのビルの屋上にいるとして
そんな場所に、子ども達を連れて、社会科見学に来たとします。
高い場所ですから、当然ながら、危険を伴います。
考えたくないですが、命を失う可能性すらあります。
ですから、教師として、当然ながら、これ以上先に進むと危ない場所は
生徒には事前に教えておきますよね。
それなのに、自分が目を離した隙に、
一人の子どもが何十メートルか離れた
危ない場所に行っていたとします。
その子は、ご自身ももう何年も見てきた子です。
その子のお兄ちゃんも先生の教え子です。
その子とその子のお兄ちゃんのお母さんのことも当然ながらよく知っています。
そんな子が、入っちゃいけないと注意した区域に今入っています。
その、何十メートルか離れた、その子に『コラッ』と叱って下さい。」
そうすると、何となく想像できると思うのですが
その先生、大きな声を出されていました。
そのレッスンには、他にも先生方が参加されておりましたが
声の大きさの変化に皆さん、ビックリされておりました。
話が長くなりましたが、このように質問を重ねていくことで
スキルが激変することは多々あります。
とはいっても、これは精神論ではありません。
そもそも、声を出すと言うことは、誰かに何かを伝えたいからです。
例えば、「あっちにいったら危ないよ」とか
「お箸を持ってきて欲しい」とか
「自分と付き合って欲しい」とかという感じでしょうか。
それは、役者だけではなく、歌手もそうだと思うのです。
単に歌うのが好きなだけであれば、別に人前で歌わなくても構わないと思うのです。
では、何故、人前で歌うのか。
それは、自分が歌うことで、誰かに何かを伝えたいからだと思うのです。
勿論、動機として
「自分の歌で感動させたい」とか
「異性にモテたい」とか色々とあるとは思います。
でも、どんな動機にしろ、
誰かに何かを伝えたいから、何かをして欲しいから
人前で歌うのだと思うのです。
「今、自分は何故声を出すのか。」
ですから、その動機と、
そして、その声を伝えたい人が明確になればなるほど
出した声は、自然と、その動機を叶える声に近づくと思うのです。
先ほどの例だってそうです。
単純に、大きな声を出したいというのではなく
大きな声を出す理由が明確になれば、自然と自分が出したい声に近づくのです。
声を出すということは、誰かに何かを伝えたいと言うことです。
貴方は、誰に伝えたいのですか。
貴方は、何を伝えたいのですか。
そして、貴方は、本気でその想いをその人に伝えたいと思っていますか。
