それを食べたかった男の話。

『彼』は快く引き受けてくれた。
本当にうれしそうだった。
良かった。『彼』はそんなにこれが食べたかったのか!?
ある時『彼』に、ある仕事をオファーした。
それは、我輩と同行しての名古屋での仕事(売場作り)だった。
出張を伴うものであり、彼の担当以外の仕事であったため、
我輩は彼に、仕事のあと、夕食をおごる約束をした。
我輩 「仕事頑張ってくれたら、その日の夕食は名古屋名物の
【ひつまぶし】を、超有名店の<あつた蓬莱軒>で、
ご馳走してあげるわ。」
彼 「ありがとうございます。めっちゃうれしいです。
仕事頑張ります。」
いやー、本当に彼が快く引き受けてくれたので、我輩もうれしかった。
ここまでは、出張1週間前までの話し...
出張2日前、彼が同僚と話しをしていた。
彼 「今度、仕事で名古屋に行くんだ。そして、名古屋名物の
【ひつまぶし】をおごってもらうねん。」
実にうれしそうに話している光景を、我輩はほほえましく見ていた。
あまりにうれしそうなので、彼にこう聞いた...
我輩 「そうか、そんなに【ひつまぶし】食べるのが嬉しいか?」
彼 「そりゃそうっすよ!名古屋といえば【ひつまぶし】でしょう」
我輩 「そやけど、まぁ、【うなぎの蒲焼】やからねぇ」

...と、話した次の瞬間、彼の口から発せられた、衝撃の言葉が・・・
彼 「えぇーっ!【ひつまぶし】って《うなぎ》のことやったんですか?」
WHY???
『彼』は、純粋な男である。
『彼』は、純粋に上司から依頼された仕事を快く引き受けた。
『彼』は、純粋に【ひつまぶし】を食べられることをよろこんだ。
......めっちゃ、よろこんだ。
【ひつまぶし】が何であるかを知らなくても。。。。。。。
【ひつまぶし】の美味しい食べ方
まず、一膳目はそのままお召し上がり下さい。

そして二膳目は、薬味を添えて

三膳目は、お茶漬けで

最後は、上の三つのなかで、一番おいしかった食べ方でどうぞ。
一度で、四度おいしい【ひつまぶし】を食べた『彼』なのでした。

あか抜けた?男の話。

『彼』をよーく見て欲しい。
『ワイシャツ』は以外とこじゃれたものを身につけている。
そして、『彼』をもう一度よーく見て欲しい。
ネクタイが......
残念!
お願いだ、ホームセンターでネクタイをまとめ買いするのだけは...
北関東あたりに、【プラント】ができたりすると、彼は行くだろう。
それをまとめ買いしに・・・
しかし、そこには7千円スーツなるものが売っている。
さすがにそれは買わなかったな。
15年ほど前、我輩が社会人一年目、師事した上司から常に言われていた。
というか指導された。
『営業マンたるもの、いつ何時人に会うかわからない。会社の代表として
人と会うのだから、常に身なりはキチッとしときなさい』と。
又、『我々の仕事は、時として作業を伴う時もあるので、スーツはそんな
に高くなくていい。スーツについては、見た目清潔感が感じられるレベル
のものでいい。
しかーし、ネクタイ・ベルト・時計・靴だけは一流のものを身につけて
おきなさい。
そこにその人の【ひととなり】が表れるのだから』と。
人間見た目9割で人を判断する、という。
『見た目で人を判断してはいけません』というのは、まぁ正しい。
ただ、人と会う職業に就いている場合、ことさらそんなことで、
第一印象を悪くする必要もないだろう。
さぁ、現在彼の近くに居る人達よ、彼をもう一回見てみよう。
関東に行って少しは【あか抜けた】だろうか......
