秘密情報の管理 | あづまの書斎

あづまの書斎

基本的には私が読んで面白かった本のご紹介です。
時々、時事や身の回りの出来事なんかもお話させていただきます。

例の、尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で、その様子を納めていた映像資料がインターネット上に流出した件で、流出させたとされるsengoku38氏を褒め称えるような論調がネット上にはあふれていますが、私はとてもじゃないけど褒める気分にはなれない。

この情報は、公開するか秘密にするかのいずれが妥当な処置であったのかの議論はあるにしても、一度は秘密にすると決めた情報です。
それがあっさりと流出してしまった。先日の、警視庁から国際テロに関する捜査情報が流出した件といい、日本の政府系機関の秘密情報の管理能力はどうなっているのだろうか?
私ですらこう考えるのであるから、諸外国の政府筋や、政府系ではない何がしかの集団(いわゆる反社会的勢力を含む)は『日本は秘密情報の管理能力が低い』という評価を固めてしまったかもしれません。
もしこのような評価に基づき、『日本とは秘密を共有できない』という姿勢で外交交渉などが行われるような事になれば、それは重大な国益の毀損であるように思います。

本件映像資料単体で見ても、秘密が徹底されていれば、あるいは今後の中国との交渉において取引材料の一つとなったかもしれませんが、インターネットで世界中に配信されてしまいましたので外交の交渉材料としては無価値になってしまいました。

是非とも、流出させた人を見つけ出して適当なペナルティーを課し、海保に限らず、秘密情報の管理体制の見直しを図っていただきたいものです。