ダウンタウン ノスタルジア | A happy manual ~シアワセの説明書~

A happy manual ~シアワセの説明書~

飽き性の凝り性の”たれ”が綴る
私自身がシアワセになるための説明書です。

-お品書き-
・じてんさのこと
・うさぎのこと
・釣りのこと
・他愛もないこと
ボチボチやって行きます。

ご意見ご質問はdahonclubtokai@gmail.comでもお受けしております。

 

 

母親が猫のことを心配したせいで、

入院はせず実家に戻した。

 

 

 

 

 

名古屋の実家。

 

東には名駅周辺の高層ビル群を臨み、

 

西を向けば庄内川の堤防の向こうに
養老山脈が見える。



名古屋って濃尾平野にある
偉大な田舎なんだな~

ってつくづく思う。


実家は老舗の理髪店だった。

 

祖父の代からだから、

60年以上くらいかな?


親父が亡くなり、
しばらくは母親一人で営業していたが
やがて店を閉めた。

 

 

 

 

そんな実家に、

立退きの話が来たのが
昨年の夏。

 

 

 

 

 

 

再開発ってやつ?

 

リニアも通るしネ。

 

 

 

実家は

建物の老朽化も進んでるから
この先住むには建て替えが必要だし、

ってか、

手狭な都会がイヤで離脱した
自分自身は街中に戻る気無いし、

母親一人だし、

今後の行く先を考えると
立退きに応じるのが合理的かな?
って思った。

 

 

 

不動産屋が用意してくれたのは、
実家から徒歩2分で

同じ町内のマンション。

家電製品なども不動産屋が

全て新しく用意してくれて、
猫飼うのもOK

って好条件。


新しく綺麗、
安全なマンションで
猫と一緒に

のんびり暮らせるな~

って言ってた矢先に、
母親が

あんな状態になっちまった。
 

 

9月の初めの引っ越しは、
酸素ボンベ積んだ車椅子で移動。

 

新しい部屋には、
電動の介護ベッド。

そして、
看護師さんとヘルパーさんの
毎日の訪問介護が待っていた。

主治医の先生も
週1~2で往診してくださるから
安心とはいえ、

 

母親の新居での生活は
想い描いていたものとは
ずいぶん違うものになった。


母親の引っ越しで、
今までになく

古い実家に入る回数が増えて

あらためて思った。


ああ
ここで生まれ育ったんだなぁ・・。

 

と。



この古い理髪店も
本年いっぱいで取り壊しになる。

もちろん、
取り壊し費用も
残留物処分も
不動産屋の負担で行う契約。


厄介なものが
とんとん拍子で片付き
ホッとするはずなのにねぇ・・・

 

 

なにか胸の奥が

つかえてならない。

 

それは、

 

母親の容態のせい?


それとも、

 

 

ノスタルジー?

遠い山々に

沈みかけた夕日が

赤く空を染めてゆく・・・

 

 

 

ありがた迷惑なくらい、

必要以上にセンチメンタルな
秋の始まりだった。