遠野放浪記 2015.09.19.-11 街の女神 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

段々と日が傾き、民話通りは遠野の伝統芸能の華でもある南部ばやしの番になった。

最初に通りに入って来たのは穀町南部ばやし。遠野に4団体ある南部ばやしは其々に衣装や踊りのテンポが違うが、穀町は中でも最もテンポが速い。また頭飾りもとても煌びやかだ。

 

 

 

小さい子供から大人まで、あらゆる年代の女性が参加している。秋の祭りらしく、手には紅葉の枝を携えている。

 

 

 

 

 

 

枝を手にした踊りを披露した後は、徒手空拳で流れるように踊る。真紅の衣装がはためき、燃えるような秋を体現している。

 

 

 

続いて一日市南部ばやしの一団が来た。こちらは穀町と違い、赤や青、薄桃色、黄金色といった様々な色の衣装を身に纏っている。

 

 

 

 

手には桜の枝を持ち、頭には黄金色の烏帽子を被っている。手足、全身を流れるように動かし、ミドルテンポな踊りを披露する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一日市は、町家の雛祭りでも名高い遠野に於いても、古雛を所有する老舗が最も多いと言われていて、それだけ古典文化を現代まで育み続ける気概が高いようだ。

南部ばやしに参加する人も多いようで、恐らくはたまたまだろうが俺が見学のために陣取っていたあたりに留まり、最も長い時間踊りを見せてくれた。