遠野放浪記 2015.01.12.-08 崖の上と下 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

花巻駅の近くには藤木大明神という小さな神社がある。

 

 

小ぢんまりとした境内に、藤木大明神と妙見菩薩堂とのふたつの御社が並んで立っている。

 

 

 

御神木は榎の木で、何と樹齢450年程も経ているらしい。北松斎(きた・しょうさい)という、花巻の街を整備した謂わば花巻の開祖ともいえる人がこの場所に植えたということだ。

 

 

 

由緒には元々、裏にある雄山寺の鎮守として勧請された神社であるが、花巻駅が開業して駅前の集落が整備された際に、改めて駅前の鎮守として整備された、ということが書かれている。

 

 

境内の片隅には、1945年8月10日にこの場所に爆弾が投下されたことを示す石柱が立っている。由来など何も書いていないことが、出来事の凄惨さを際立てている。

 

 

裏手には、雄山寺と花巻保育園に下る階段が。近くの砂場は今では思い出の場所だ。

 

 

御社には、花巻の他の場所でもよく見掛ける、穴が開いた小石が大量に納められている。他の場所でも稀に目にすることはあるが、見掛ける頻度は圧倒的に花巻が高い。いったいどのような理由がある行為なのかが謎だ。

 

 

 

境内は崖の上にあるため、花巻の街が一望出来る。今日は少し雲が多いが、晴れた日には早池峰まで見晴らせる。

この場所から眺めている一帯が、花巻の街の中でも一番早く整備されたあたりらしい。

 

 

 

 

 

 

汽車の待ち合わせの間にふらりと立ち寄れるので、意外に良い場所だ。夜に来ることがあれば、夜景なども綺麗かもしれない。

 

 

神社で楽しんでいたら、そろそろ汽車が来る時間。岩手を離れる時間である。