鹿たちは本殿前に到着し、神職が鹿から受け取った供えものを本殿に奉納する。
鹿たちは本殿の外で待機している間、絶え間なく踊り続け、彼等のやり方で神に祈りを捧げる。
天神の森に響き渡る祭囃子を聞きながら、自分も何時の間にか鹿たちと一緒に踊り狂っているような、そんな気分になる空気がある。
余談だが、この張山しし踊りの起源は一説によると、江戸時代中期の遠州であると言われている。
1930年には閑院宮載仁親王の賜台覧を受け、早池峰郷の鹿踊りの中でも中心的な存在になった。
本殿内で神事が行われている間も、鹿たちはひたすら踊り続けている。この炎天下で、よく体力が続くものだと感動を覚える。
ようやく神事にひと区切りが付いたようで、鹿たちはやっと休憩に入った。代わって本殿前には、地元の中学生や子供たちが集まって来た。
これから神輿の出番で、子供たちがそれを担いで森の中を練り歩くのだそうだ。