遠野放浪記 2014.08.20.-14 這い寄る混沌 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

次第に日が陰りつつある附馬牛のメインストリートを、俺は暖かい風を感じながら走っていた。


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心なしか雲が多くなって来たが、早池峰の方角がどうやら雨らしいことを除けば、大きく天気が崩れる心配はないだろう。

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夏の夕方の透き通る空気に満たされ、火渡の石碑は何故だか寂しそうだ。

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俺はふるさと村で休憩するため、街の中心から安居台まで戻って来た。

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このあたりにも多くの人が住んでいる。遠野側から附馬牛へアプローチする際には、この安居台が附馬牛で一番最初に通り掛かる集落になる。柳田國男もこの地で何かを感じたに違いない。

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このカーブを曲がればもうふるさと村だ。

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急に造られた文化の世界へ飛び込んで来たようで、逆になんだか落ち着かなくなる。

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ふるさと村の休憩所でギリギリまで身体を休めた後は、少し、いやかなり早いが夕食を済ませておくことにする。

軽く食べられるものを、ということで山菜そばを発注。温泉たまごも乗っている豪華版だ。

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さらにバーターでヤマメの甘露煮もいただく。川魚の甘露煮は大好きで、甘辛く炊き込まれた出汁が骨にまで染み渡ったところをガブリと丸ごと口に入れる瞬間が堪らない。

付け合わせにワラビの和えものが付いて来るのも嬉しい。

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全体にヘルシーな取り合わせだが、大変美味しくおなかも満たされた。

夕暮れが迫り、いよいよふるさと村も閉村の時間を迎える頃になり、俺は再び附馬牛の街へと舞い戻った。