たぬきやを出た我々はさらにメンバーを絞り、親不孝通りのすなっく天馬に移動。このとき誰がいたのか記憶が定かではないが、確か拙著にもたまに登場するC氏とケン氏だったような気がする(ともに仮名)。
俺に「野宿」という綽名を授けてくれた某スナックには最近足を運ばなくなってしまったが、天馬とは不思議と縁があるのであった。
暫く飲んで日付も変わったところで、今度こそ解散に。親不孝通りの店も大半が明かりを落とし、遅い眠りに就いていた。
天馬のママから、旅に役立てて欲しいとポケットティッシュをいただいた。明日からまた暫く街を離れるつもりだが、これのおかげできっと遠野の仲間たちが側に居てくれる気持ちになれるに違いない。
俺は皆と別れ、独り来内川沿いの東屋に宿を求めた。明日はちょっとした移動日の予定なので、比較的ゆっくりと行動を開始出来るが、それでももう夜明けまで数時間しかない。
この先いろいろと計画を立てているが、その全てが実行出来るとは限らない。いずれにせよ、明日市街地を離れたら、次に戻って来るのは5日後の予定だ。旅の中盤戦、本当の長くて暑い遠野の夏が始まる。