遠野放浪記 2014.08.17.-08 探し物 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

このまま森を彷徨っていても何も見付からなさそうだと判断した俺は、元の道に戻り再び足ヶ瀬方面を目指すことにした。


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陸橋の上から釜石線を眺めるこの風景が懐かしい。

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沿線にはまだそれなりの規模の集落が展開されているが、流れている空気は他では感じたことがないものだ。これが山に一番近い場所の空気なのか……。

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道端には何時の頃からあるのかもわからない石碑が姿を現す。

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道は遂に二車線ではなくなった。曇り空の下、誰ともすれ違うことは無い……。

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先程より幾分か進んだ場所で、再び仙人峠道路をくぐって森へと入る道を見付けた。

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砂利には車の跡があり、先程よりは何かが期待出来そうな雰囲気だ。

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森の奥へと続く道はしんと静まり返り、不気味でもあるが、同時に先程より人手が入っていることも確実に感じられた。

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土もかなりしっかり踏み固められており、朝までの雨でもぬかるむ様子が無い。

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林業などでも利用されている道なのだろうか。これは期待が持てそうである。

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しかしながら、歩けども歩けども森は深くなるばかりで何も見えて来ない。地図では林道に入ってすぐ、神社があることになっているのだが、数十分歩いても見えるのは森の木々ばかりだ。

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ところどころに人工物の跡が見られるのだが、このままこの道を進み続けても何処へ辿り着くのかもわからない。俺は林道が急な上り坂に差し掛かったところで、これ以上の進行を諦め引き返すことにした。

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今回の旅はなかなかままならない。もしかしたら本当に、俺は失われてしまった神社の残酷な現実の上を歩いているのかもしれない。