遠野放浪記 2014.08.17.-07 失われた道 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

偶々見た地図だけを頼りに愛宕山神社を探しに来たが、全くと言って良い程見付からない。


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このあたりの森は、仙人峠道路によって分断されていることがわかる。

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森の奥へ進む道は辛うじて残っているが、かつては集落から歩いて来られたであろう場所が、今は大きく回り道をしなければ来られなかったり、道路の完成によって歩くことが出来なくなってしまった道もあるだろう。

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暗い森の中にも道らしき道は続いているが、恐らくもう訪れる人もいないのだろう。すぐに足元は覚束無くなり、やがて道は草叢の中に消えてしまった。

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振り返れば木々の合間から集落が見下ろせる。全ては道路の向こう側だが……。

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このような場所だからこそ、かつては神社があり、人々が歩いて訪れていたのだろう。参道すらも分断されてしまった今となっては、当時の痕跡を探し当てることすら難しい。

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さらに森の奥へ進み、道なき道へと分け入ってみたが、太陽の光は次第に弱くなるし森は荒れるばかりで何も見付からない。

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今朝まで雨が降ったからだろうか、斜面には無数の小さな沢が出来ていた。

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人が訪れなくなった森はやがて原始の姿に還って行くのだろう……。

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ここ数年で遠野には高速道路が開通し、急速に開発が進んでいる印象があるが、これが最終的に何を齎すのかは、何十年後かにしかわからない。