遠野放浪記 2014.07.26.-03 彷徨い道 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

丘を越え森を抜け、もう結構な距離を歩いて来た筈だが、迷岡はまだ影も形も見えて来ない。


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時々小さな集落に行き当たり、人が外に出ていたりすると安心する。

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まだまだアップダウンが激しい道が続きそうだ。

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日差しはギラギラと照り付け、森の緑はじわりと色濃く地上に影を落としている。

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山の中腹に幾つかの集落があるが、人の姿はあまり見られない。子供の姿も見掛けない。何年か後には、此処も寂しい道になってしまうのだろうか……。

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幾つもの丘を上っては下り、下っては上る。この暑さも相俟って次第に息が上がって来た。

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少しフワフワして来た気がするが、まだ大丈夫。ただ手持ちの水が少なくなって来たので、ゆっくり行こう……。

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太陽が高くなって来たので、森の側の道でも日陰が無くなって来た。暑さを凌げる場所を探しつつ、岩手の片隅で彷徨い歩いている……。

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歩き始めてようやく、地名を示す看板が目の前に現れた。迷岡へは、このまま真っ直ぐ進むと着けるらしい。今日初めて目的地の名前を目にし、少し気合いが入った。