遠野放浪記 2014.07.25.-03 追いかけっこ | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

列車は郡山から福島へ、本州で岩手県に次いで広い福島県をゆっくり時間をかけて北上する。


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南東北の生活の様子が、車窓に現れては消える。

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かと思えば、不意に突き抜けるような広大な景色に差し掛かることも。

此処は松川駅の近く。遥か彼方に見えているのは、磐梯山とそれに連なる山々だろうか。

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この場所も、福島以南ではとても好きな風景のひとつである。

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小さな街の小さな暮らしが移り行き続けていたが、やがて車窓には高速道路と、そして彼方の大きな街が見えて来る。

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間も無く、福島県内最後の大きな駅である。

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普段、このあたりは非常に混むことが多く、こんなにゆっくりと景色を楽しむ余裕はとてもない。今回は一本早い列車に乗れたためか他に客は殆どいなく、普段なかなかじっくりと眺められない風景と共に旅をすることが出来た。

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やがて荒川を渡り、福島駅に到着。

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此処まで一本早い列車で旅を続けて来られたが、福島駅ではなんと一時間以上も列車を待たなければならない。仙台へ向かうのに一本早い列車は無く、結局いつもの列車に追い着かれてしまうわけだ。

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ホームには既に仙台行きの列車が到着しているが、コイツはまだ一時間以上出発しない。

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しかしそのぶん、普段6分程しかない乗り換えの時間が今日は1時間と6分あることになる。当然そんな悠長に待つ客は俺くらいで、今ならばどの席にも座り放題である。

ただ待つのも退屈なので、11時が近付いて来た頃合いを見計らい、早めの昼ごはんを食べることにした。昔から旅の途中では、やることがなくなると食事をするという妙な癖が付いてしまったが……。

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今回はクオリティの高さで他の缶詰とは一線を画している缶つまプレミアムの「ぶりあら炊き」をいただいた。素材にも調理にもこだわるだけあり、お手頃価格の魚の缶詰とは違うふっくらとした柔らかさが表現され、濃い目だがしつこくない味がごはんによく合った。

このシリーズはモノによってそのあたりの定食屋のメニューよりも余程いいお値段だったりもするのだが、何かと食事の時間を犠牲にしがちな旅の中で数少ない楽しみになり得る存在感を放っている。

読者諸氏にも旅のお供に、是非お勧めしたい。