遠野放浪記 2014.07.19.-08 こんばんは | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

峠を越えてようやく辿り着いた遠野の夕暮れは、少しだけ明るかった。


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遂に一日、青い空を拝むことは叶わなかったが、明日もこの雨は降り続けるのだろうか。

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折り重なる山々の姿も霧に霞んでいる。

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綾織の街を過ぎ、跨線橋をくぐり、道の駅の巨大風車に見送られると、目的地はもう目の前だ。

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猿ヶ石川を越える。前回山に登って以来、実に二ヶ月半振りだ。

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あそこは初めて遠野を訪れたときに通った道だ。まだ何も遠野のことを知らなかった時代が思い出される。

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汽車は速度を落とし、乗客たちはドアが開くのを心待ちにするように支度をする。

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ドアが開き、久し振りの遠野の空気を吸い込む。しっとりとした夏の湿気が肺を潤した。

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ホームには至るところに水溜まりが出来ている。この調子だと雨は明日まで残りそうだ。

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今回の滞在中に、夏の鮮やかな遠野の風景を見られる機会はあるだろうか。

俺は改札を済ませ、街に出た。

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遠野の目抜き通りも、長い雨に中てられて何処となく元気が無いように見える。しかしこれから歩き、いろいろな人と会えば、いつもの遠野の姿が見られるだろう。