遠野放浪記 2014.05.06.-04 すぐ傍らの高み | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

街に背を向けて再び山道に向かうと、また急な傾斜との戦いが始まる。


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人の手が入っているため、登り始めからのイメージの割には歩き易い。

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展望地へと上って来た急坂が、今はもう崖の下に見えている。

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人里は遥か遠くになって行く。傾斜は益々急になり、そろそろパティと一緒では厳しくなって来た。

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こんなところにも電線が走り、六角牛や石上と違って人の生活と近しい場所にある山であることを実感する。標高はおよそ917メートル。市街地の標高がおよそ264メートルなので、差し引き650メートル以上を上ることになる。

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非常によく日が差し込み、明るい森の雰囲気とは裏腹に、坂道がキツイの何の……。朝の運動というには少々エクストリームだ。

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本当に洒落にならない傾斜になって来たので、俺は途中でパティと一緒に行くことを諦め、少し広い藪の中にパティと荷物一式を残し、身体ひとつで登頂を目指すことにした。

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パティに山頂の景色を見せてあげられないのは至極残念だが、全ての負荷から解放されたことによって、俺の脚はこの急勾配をもものともせずに前へ進んだ。

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気が付けば下界の様子は見えなくなり、深い森に入りつつある。