東北一の大都会・仙台では例によって30分以上の待ち合わせがあるので、お昼ごはんを食べる。
毎回同じ列車で旅をしていると、行動パターンも似通って来るので、このあたり工夫の余地があるかも知れない。
今回も立ち蕎麦屋に入り、鶏の唐揚げ蕎麦を発注。バーターでおむすびも付けた。
蕎麦の上には、鶏の一枚肉を豪快に揚げた唐揚げが2枚も乗ってもの凄いボリュームだ。しかも駅蕎麦のクオリティらしからず、しっかりジューシーに揚がっていて非常に美味い。
つくづくこの蕎麦が工事で食べられなくなるとは、仙台駅にとって極めて大きな損失だ。
予想外に昼ごはんのボリュームが多く、俺はどうにか次の列車に間に合ったが、おなかがいっぱいになってしまってやる気が起きない(笑)
暫く何もせずにぼーっと車窓を眺め、県央の大きな街を過ぎて人が粗方捌けるのを待った。
このあたりの田圃には毎年水が入るのが早く、所々で既にいっぱいに湛えられた水が風に波打っている光景が見られた。
それでも北に進むに連れ、パッチワークのように水は次第に疎らになって行く。
丁度このあたりで、儚い春の夕日に出会った日のことを思い出した。
車窓は小牛田の街に差し掛かって少しだけ賑やかさを取り戻すが、さらに列車を乗り継いで旅を続けると、再び何もない広大な水田地帯が始まる。
いろいろなことがあった宮城の旅が終わり、列車は遂に岩手県に入る。

