盛岡駅に戻る頃には、空はすっかり暗くなっていた。
俺は姉帯村へ向かう前に、予め発注しておいた姉帯さんの誕生日ケーキを受け取るために、駅ビルフェザンの「おでんせ土産館」に立ち寄った。
地元の名店が数多く立ち並ぶその一角に、ひと際人気の洋菓子店「タルトタタン」が居を構えている。
俺が店を訪ねたときには、既に姉帯さんのケーキは準備されていた。
プレートの名入れが間違っているというとんでもないトラブルがあったものの、幸いその場ですぐに直してくれたので然したる問題は無かった。
これで姉帯村へ向かう準備は完了だ。俺は理想郷へと向かう汽車に乗るため、IGRの改札口へ向かった。