遠野放浪記 2014.02.15.-02 春遠き朝 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

結局、列車は関東の雪が峠を越えた8時過ぎにようやく出発することが出来た。既に3時間の遅れである。出発後も、止まってはまた走り……の繰り返しで、北関東に差し掛かる頃には車外の様子は全く変わってしまっていた。


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異常な空気が関東圏を取り巻く中、列車はどうにか宇都宮駅に到着。

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既に在来線は滅茶苦茶な状態に陥っており、このままでは宮守どころか何処まで進めるのかもわからない。俺は背に腹は代えられぬと、同じ考えの乗客が列を成している新幹線の改札口に並ぶことにした。

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取り敢えず仙台まで辿り着かない事には、塞さんのケーキすら受け取れない。新幹線代は痛すぎるが仕方ない……。

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新幹線とて、この先再び雪が強くなればどうなるかはわからない。かつてない絶望的な冬が、俺の前に立ちはだかっていた。

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新幹線は幸いなことに動いており、しかも後10分くらいで都合良く仙台行きが到着するみたいじゃないか……と思ったら、この新幹線も元の予定から3時間程遅れていた。本当にあり得ない状況が、現実に目の前に起きている。

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やがて、新幹線が到着。普段は散々新幹線のことをディスったりしているが、このときばかりは絶望の淵に手を差し伸べてくれる救世主に見えた。

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この天候は東日本全域に広がっているらしく、雪に慣れている筈の東北でも刻一刻と深刻な被害の状況が明らかになっているようだ。どうにか無事に岩手まで……いや、例え俺が辿り着くことが出来なくとも、春を待つ人々が無事にこの日を乗り切ることを願う。