遠野放浪記 2013.12.31.-04 東北本線の冬 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

南へ向かう東北本線に乗車した俺は、次の乗り換えまで何をするでもなく、車窓の外の真っ白な風景を眺めて過ごした。


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青空が戻って来たとはいえ、冬の日差しは優し過ぎる。その光が届かない場所には、冬の強い冷気が我が物顔で居座っている。

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東北の冬は、まだ始まったばかり。これから春になるまで数ヶ月もの間、人々は厳しい寒さと戦って行くのだろう。

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岩手県も南の外れが近付き、景色も解放的になって来た。少しずつではあるが、日差しは強さを増し、より暖かい地域へと近付いていることが感じられる。

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一ノ関駅を出ると、やがて岩手とはお別れだ。

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次に乗り換える列車は、もうホームに到着して乗客を待っていた。

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一年が終わる日に遠くへ移動する人もいないのか、車内は空いている。

俺はゆっくりと最後方の席に陣取り、列車の出発を待った。