遠野放浪記 2013.12.29.-02 平野原の神明神社 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

遠野駅でネコの人と別れ、俺はその足で御主人にとある場所まで送り届けてもらった。

岩手上郷駅と平倉駅の中間くらいにある、上郷町の平野原というところだ。


1


鉄道や大通りからは距離があり、今は雪に閉ざされている静かな街だ。

此処で俺とパティをリリースして貰い、今日の旅はスタートする。

2


先ず訪ねたのは、平野原にある神明神社。

決してメジャーな観光地ではないものの、遠野遺産にも指定されている由緒正しい神社だ。

3


境内には、立派な御社が立っている。

4


本殿には、天照皇大神宮と銘打たれている。

5


その他にも、小さな御社や石碑が広い境内に点在している。

6

7


この近くの山には、かつて平野原備後という人の屋敷があった。阿曽沼氏の系列で、一族の没落により浪人に身を窶すが、その後盛岡南部氏に召し出され、この地に35石の領地を与えられたという。

8


今でこそ、その由来の手掛かりを示すものは多くないが、かつてこのあたりが平倉村の領地だった時代には、近くにある熊野神社と共に極めて重要な立ち位置を占めていたと伝えられている。

9


神社裏手には、今は広い雪原が広がっている。この地に確かに、400年前に繰り広げられた歴史の静かなドラマがあったのだ。