遠野放浪記 2013.12.28.-06 ギアチェンジ | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

福島を出発した列車は、いよいよ東北一の大都会・仙台を目指して走り始める。


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南東北から、北東北へ。全ての人にとってのワンダーワールドが、もう目の前に近付いている。

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県境が近付き、空は再び厚い雲に覆われ始めた。

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冬の天気の変化は目まぐるしく、雪は再び牙を剥いて列車に襲い掛かって来た。

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藤田駅を過ぎ、厚樫山の高台から望む県北の田園。

全てを白い雪に覆われ、他の季節とは明らかに違う福島の風景に出会えた。

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地上には強い吹雪が吹き付けているのだが、このあたりは丁度天気の変わり目の真下にあるらしく……空の上半分は青い。極めて不思議な光景だ。

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間もなく列車は吹雪に向かって突入し、奇跡的な空模様は一瞬だけで終わってしまったのだが……。

それでも、あんなに美しい光景に数十秒だけでも出会えたことで、今回の旅には意味があったと思う。

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やがて宮城県に入ると、吹雪は強さを増し、視界は再び数メートル先さえ怪しい状態に。

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家々も田園も、そして山も真っ白に覆われているが、そんな中でも県境を越えるトラックが雪をものともせずに走っている。

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この県境は、いつもあまり天気が良くない印象があるとはいえ、此処まで凄まじい吹雪に見舞われているところは初めて見る。

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いつも田園風景の向こうに見えている里山も、今日は影も形も見えない。勿論地元の人からすれば、これしきの雪には慣れっこなのだろうが、見慣れた景色さえすっかり隠してしまう程の雪というのは、関東人にとっては未知の経験なのだ。

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当然ながらこんな状況の中、小さな街は人の気配も無く、静まり返っている。

細い道には足跡も無く、生活の痕跡は覆い隠されてしまった。

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仙台はどのような状況だろうか。さらにそれよりも北は?

冬の東北は刺激と楽しみが尽きない。