金矢から花巻駅に戻ろうとしていた俺は、とある建物の壁に地域の地図が貼ってあるのを発見した。
あれ?!
半ば小瀬川を諦めかけていた俺は、俄かに降って湧いた希望に一も二も無く飛び付いた。
瀬川の流れはとても綺麗だ。透き通っている。
こんな川が流れる街で暮らす人の日常は、きっと素敵なのだろう。
眩しい日差しをも遮る森が、丘の両側に迫っている。この場所も、何かの境界線なのかもしれない。
丘を越えると、また小さな街があった。でも、此処はまだ小瀬川ではないみたいだ。
もう時間的にもチャンスは無い。此処まで来たからには、ひと目小瀬川を拝んでから帰りたい……。