遠野放浪記 2013.09.14.-07 金色街道 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

岩手県に入ってからも、大地を覆う金色は些かも衰えることは無い。


1


平泉、前沢、水沢……といった県南の大きな街も、例外なく秋の輝きを謳歌している。

2

3

4


これでもう少しだけでも太陽が顔を出してくれていたら……言うことなかったんだけれど。

5


列車は沿線の住民も、遠くから来た旅人も分け隔てなく金色の旅路へ連れて行く。

6


小さな街、小さな駅に見送られ、黄金の海を順調に北上する。

7


たった2ヶ月足らずの時間が、見るもの全てを変えてしまう。これからまた2ヶ月後には、荒涼とした大地が冬へ向かう姿が見られるのだろう。

8

9

10


北上に差し掛かるあたりで、こんな神秘的な空に出会えた。

11


秋の日は釣瓶落とし、とは言い得て妙だ。先月まであれだけ長かった日が、今はもう黄昏時へと向かおうとしている。この雲の向こうに、いったい何があるのか。秋を齎し、冬を呼び寄せるのは誰なのか。

12


列車は豊沢川を渡り、花巻駅に到着。遂に釜石線の出番だ。

13


花巻の上空は穏やかな顔をしていたが、これはやはり夜が近い空の色。

岩手の秋は、東京よりも随分と濃いようである。

14


これが遠野に到着する頃には、どんな表情に変わっているだろう。3年振りの、秋の遠野が近い。