遠野放浪記 2013.05.26.-01 望郷の朝 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

5月26日の朝、この季節にしては冷たい空気に起こされて俺は6時前に目が覚めた。

今日は東京へ帰る日だ。


今回の旅は綾織に始まり、綾織に終わる。俺の遠野での初体験をたくさんくれた街だから、そんな旅への浸り方があっても良い。


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始発の汽車が来る前に、朝食を済ませておくことにする。

今回は、シーチキンははごろもフーズの登録商標です、で有名なはごろものシーチキン+コーン&チーズと、サラダによく合うやんわかチキンフレークのふたつ。どちらもやや淡白でヘルシーな味付けだったので、これはごはんよりもパンがあれば良かったかも知れない。


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食事は10分程で終わったが、まだ汽車は来ないので少し駅の周りを散歩してみる。

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釜石街道から離れている綾織駅は、一昨日も見た通り、小さな街と見渡す限りの水田に囲まれている。朝の火を焚いている家を見付け、其処からだろうか、とても懐かしい匂いが鼻を擽った。

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今日の遠野は薄曇りで、遠くの山々の稜線は霞んでいる。

一昨日、昨日と日中は晴れていたので非常に運が良かったが、昨日の朝は曇っていた。この季節はどうしてもそういった天気になり易いのだろうか。

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こんなに早くから田圃で仕事をしている農家の方を見掛けた。

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俺はこんな綾織が大好きだ。地元の人程、俺や他の旅行者に対して「自分は東京の方が憧れる」と仰る印象があるが、まず地元の人が地元を愛さなければ、外から来る人に土地の魅力を伝えることは出来ない。

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綾織の空気を感じれば感じる程、様々な感情が複雑に絡み合って、永遠にでもこの場所に居たいと思うようになる。しかしそれは未だ俺が願ってはいけないことだ。

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やがて、遠野方面から力強い汽笛を響かせ、始発の汽車が綾織駅に到着した。

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扉を開き、パティと一緒に汽車に乗り込む。今回もまた、“現実”に帰るための旅路が始まった。