遠野放浪記 2013.05.24.-16 日影 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

遠野街道から綾織跨線橋を渡り、日影橋へ。

日没を間近に控えた綾織の水田が最後の輝きを放っていた。


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山の彼方に向かって延びる白いガードレールと一本の線路。

その向こうに遠野の街がある。

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小さな家、小さな道、綾織の街に別れを告げる。


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太陽はもう沈む。道にはトラックが停まっているが、人の姿は見えない。

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遥か彼方にぽつんと見える綾織駅の姿が、夕闇に取り残されて行くかのようだ。

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18時のチャイムが鳴り、それを合図に家に帰る。

いつもと同じ帰り道、たったひとりの帰り道――。