遠野放浪記 2013.05.04.-02 歴史を歩く | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

ふるさと村を過ぎると、その先にはもう観光施設などといったものは存在しない。

百年昔から続く遠野の原風景と、其処に暮らす人々がいるだけだ。


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まあ、後はきっと人ならざるモノが、そこかしこに潜んでいるのだろう。

そういう存在が当たり前に居る場所なのだ、此処は。

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俺は次の目的地であるとある遠野遺産を探すため、下附馬牛の新山という集落に入り込んだ。

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遠野遺産に指定される程の場所の詳しい案内が殆ど無いというのはどうかと思うのだが、その割に全く迷うことなく目的地を発見することが出来た。

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此処が遠野遺産・新山神社で、境内にあるヒバの木も一緒に遺産に登録されている。

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新山は「にいやま」と読むが、古くは「しんざん」と読んでおり、早池峰神社がかつて新山宮と呼ばれていた頃の里宮だった。つまりは遠野における早池峰信仰を考察するうえで、此処は極めて重要な神社であるということだ。

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鳥居の先、参道はすぐに消え、畑の土手のような草生した道が森の中に続いている。

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非常に見通しの良い田園地帯に生い茂る深い森。

これまでに見てきた鎮守の森の中でも、その規模は大きいように思う。森が深ければ深い程、さぞかし立派な宝物が隠されているのではないかと、そんな素敵な気配がする。