遠野放浪記 2013.05.04.-01 元始の場所 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

5月4日の早朝は、残念ながらしとしとと降る雨の中で迎えた。


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手早く身支度を整え、朝ごはんを食べていく。

今日はいなばのツナとタイカレーレッドと、キョクヨーのさんま生姜焼き。

最近よく登場する¥100の缶詰はだいたいキョクヨーなのだが、どれも地味ながら安定感のあるクオリティで、外れが無い。読者諸氏も機会があれば、安くて美味いキョクヨーの缶詰を食べてみて欲しい。


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さて、今日最初に足を運びたい場所は、ふるさと村から少し北上した場所にある、とある神社。

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不思議と以前附馬牛を訪れた際には気付かなかったが、赤い鳥居が大通りからも見えている。

農家の間を抜ける道が参道も兼ねている。

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かなり年季が入っているような、古いくぐり拝殿が参拝者を迎える。

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造りはかなりしっかりしているので、夜は此処で寝ても良かったかもしれないw

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くぐり拝殿の裏手はすぐに急な階段になっており、その上に本殿が鎮座している。

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かなり狭い境内にひっそりと佇んでいるこの神社、実は附馬牛の歴史を語るうえでは非常に重要な場所なのだ。

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附馬牛の名前の由来は、この場所にあった槻木に馬と牛を繋いでおいたことから来ている。

「つき」に「馬と牛」を繋いだから「附馬牛」――という冗談のような由来だが、紛れもない真実である。


本殿のすぐ脇には、意味有り気な瘤を付けた古い木が立っている。

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さらに奥まった場所には、かつて何かに使われていたのであろう謎のコンクリートブロックが、今はだいぶ苔生した状態で残っている。

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遠野遺産にも選ばれておらず、そもそも進んでこの神社を訪れる人も殆どいない。

しかし此処は、附馬牛という遠野の果てが始まった、その全ての切っ掛けとなった場所である。

其処に建てられた小さな神社は、名前を地の神稲荷神社という。


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遠野の中でも取り分け附馬牛に強く惹かれる俺にとって、この神社は必ず訪れなければならない場所だった。それが今、叶ったのだ。


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雨は少しずつ強くなってきているが、この先も強い意志を持ってさらに北へ進もう。