遠野放浪記 2013.05.03.-06 続・遥かなる稲荷穴 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

達曽部は車を運転する人にとっては要衝の地であるのだが、流石に賑わっているのは十字路付近くらいで、少しそこから離れると途端に交通量も減り、家々の姿も少なくなる。


外野と作屋敷の境目くらい、道路脇に人目を忍ぶように小さな御社が立っていた。


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御神木の根元には「月山」と刻まれた小さな石碑。

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そしてその奥に小さな祠。

少々草が茂ってはいるが、此処もまた地元の人たちに愛されてきたのだろう。

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月山神社(仮)の隣には、金龍山宝泉禅寺という小さな寺がある。

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達曽部の中心にある八幡神社などに比べて有名なわけではないが、きっとこの寺院が、このあたりの集落の中心を担う存在なのだろう。

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その先は、いよいよ人里を離れていく道といった雰囲気になる。

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孤独な道中でも、たまにこんな心がほっとする光景に出会えるのが嬉しい。

そういえば、もうそんな季節なんだなぁ……。

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道は稲荷穴まで、ほぼずっと達曽部川と一緒に走る。

達曽部から稲荷穴までは12kmくらいある。附馬牛までの約半分だと考えても、かなりの道程だ。

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川向こうに時々見える集落が、何だか別の世界の存在であるような気がして……旅とは孤独なものだ。

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今日はパティと一緒なので非常に心強いが、全くの独り旅、逆にもっと大勢での旅……それぞれで、同じ道を歩いても感じることは全く変わるだろう。

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やがて、行く手に寺沢高原へ向かう分かれ道が見えてきた。

このあたりから、道はいよいよ中斉に入る。

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とはいえ、此処はまだ下中斉という、中斉の入り口に過ぎない。

俺が目指しているのは上中斉なので、まだ先は長い。