俺は年末に引き続き、焼肉レストランみまつに行くことにした。
やはりこの橋をくぐると、宮守の外に出て行ってしまうような気がして少し怖い。
この道を通り慣れている地元民は、勿論そんな気持ちを抱くことも無いのだろうが……。
めがね橋の向こう側は、道の駅のように大きな施設なども無く、何軒かの家や田圃があるくらいなので、夜闇が濃い。空気が変わってしまったような気がして、俺は少し身を震わせた。
汽車が行ってしまった後、再び街は闇と静寂に包まれる。
このめがね橋からも遠ざかると、道は街灯もぽつんぽつんと立っているだけで、ほぼ真っ暗になってしまう。
実際に、この先は別の街に向かう寂しい峠道。街外れに向かって歩いているだけで、言い知れぬ感情が湧き上がってきて、胸がざわざわする。
食事を終えたらまた俺が戻って来られるように、めがね橋は見守るような表情で其処に立ち尽くしていた。