遠野放浪記 2013.01.14.-06 福島の冬 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

仙台から南へ下り、少しは空模様も落ち着くかと思っていたが、落ち着くどころか雪はさらに激しさを増し、宮城の大地を瞬く間に白一色に染め上げていった。


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県境付近も雪まみれ。

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そこから進み、普段は素晴らしい風景が拝める藤田の車窓もホワイトアウト。

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誇張でなく、本当に何も見えない。

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今、あの吹雪の向こうはどうなっているのか……普段見慣れた景色を一緒くたに飲み込み、雪はひたすら降り続ける。

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やがて厚樫山を越え、もうじき福島というところまで来た。

このあたりも白に染まった姿を見たことは何度かあるが、ここまで何もかもが雪に埋もれてしまった風景というのは記憶にない。

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遮るものもなく、歩く人もいない世界は完全に雪の精のモノ。山も街も白で埋め尽くすことが彼女らの楽しみであるかのように、雪は際限なく降る、降る……。

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福島の中心部は県内でも比較的暖かい筈。それがこの有り様では、郡山の天候はさらに心配される。

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辛うじて凍っていない阿武隈川支流の松川を越え、列車は福島駅に到着した。

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福島駅も当然の如く、雪まみれになっている。

此処まで見事に雪に埋もれてしまっては、最早言うことは何もない。むしろ清々しくさえある。

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旅行中は外部からの情報がほぼ遮断されるのが利点でもあり、ネックでもあるのだが、もしかしたら今日の天気予報では、北日本全域がこんな感じなのだろうか?

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雪に慣れている東北の列車はこれでも何食わぬ顔で走っているが、関東ならば2秒で運休になるレベルだ。俺は無事に今日中に東京へ帰ることが出来るのだろうか……。