遠野放浪記 2012.12.31.-10 スキヤキ | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

辻堂駅を出た俺は、街灯と自販機くらいしか明かりが無い年の瀬の寂しい道を歩く。ギリギリ年内に実家まで辿り着けるだろうか……。


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国道1号線を横切ると、その先は商業施設などもなく、静かな住宅街が広がっている。

尤も、俺が実家に住んでいた頃は、このあたりは殆ど畑や田圃で、家すらまばらだった。街は絶えず姿を変えていくものだということはわかっていても、好きだった風景が無くなってしまうのはイヤだなぁ……。

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駅から20分程歩き、やっと今日の旅の終点、実家に到着。

実家は一応バスも通る道からさらに奥まった場所にあるので、ここまで来ると明かりすら殆ど無い。

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実家も周囲の家々も、既に明かりを落としているようだ。

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家のドアを開けて中に入ると、弟と妹が出迎えてくれた。母は既に就寝、父は酔い潰れて(?)いたが、皆の元気そうな姿を見ることが出来て安心した。

と同時に、花巻を出てから何も食べていなかったことを思い出し、猛烈な空腹が襲い掛かってきたw何かごはんは残っているのかな……。


ちなみにどーでも良い話だが、俺の実家では毎年12月31日になると、何故かスキヤキを食べる風習がある。今年もその風習が守られていたようで、テーブルの上にはスキヤキ鍋、冷蔵庫には普段の俺には絶対に手が届かないような肉とうどんがあった。

家族は既に食事を終えていたので、残った鍋は俺が独占。早速肉とうどんを煮て美味しくいただいた。

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……が、何故か野菜が全く残っていなかったため、肉ばかり食べた俺はやがて胃もたれを起こすことにw

やはり自分の金じゃないからといって欲張るのは良くない。


さらにどーでも良い話だが、俺はサン●リーのほろよいワインサワーがすごく好きなのだが、どうやら母親が気を利かせて大量に買っておいてくれたらしく、冷蔵庫のチルド室が全てほろよいワインサワーで埋まっていた。これは嬉しい(現在ほろよいワインサワーは滅多に姿を見掛けなくなってしまい、最近では茨城県某所で目撃された例があるのみだ)。

他にも冷蔵庫にあったおやつと一緒にいただくことにした。明日母親が起きてきたらちゃんと御礼を言おう……。

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といったところで、俺の長かった旅もようやく無事に終わりを迎えることが出来た。懐かしい人たちとの再会に加えて新しい出会いもあり、2週連続で敢行した遠野旅行は極めて充実していた。

とはいえまだ再会できていない人もいるし、今後ももしかしたら新しく仲良くなれる人もいるかもしれない。中途半端引き籠り状態だった学生時代とは明らかに旅のスタンスが変わっており、これも遠野のおかげで俺が成長できた部分だろう。

まあ、実際に旅路に就けば、そんな小難しいことは考えず、目の前に起こったことをありのまま楽しむだけなのだが。2013年はどのような旅に出ることが出来るのだろうか。

遠い北の大地に思いを馳せ、俺の激動の一年が終わっていく。