遠野放浪記 2012.12.30.-09 青春のからあげ | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

時間は19時前、再びバイパスに戻って花りんを覗くと、看板に明かりが灯っていた。

ようやく今日の遅いランチにありつけるようだ。


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店に入ると、あの御主人とお姉さんがのんびりテレビを見ていた。2年振りだ、懐かしい!

微妙な時間帯ということもあり、他に客はひと組だけ。のんびりごはんが食べられそうだ。

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拙著の読者には説明は要らないと思うが、花りんのメニューは鶏の唐揚げゲンコツ揚げが二枚看板だ。

今でこそDeんの唐揚げにぞっこんだが、それに出会う前は花りんこそが俺にとって唐揚げの聖地だった。ゴツゴツとした無骨な唐揚げは、まさに肉という感じがして非常に食べ応えがある。肉を食いたければ花りんに入れ!


今日は久し振りということで、どちらを選ぶかで非常に迷ったが――定食ではなくそれぞれの単品を発注したくなるくらい迷ったが――結局ゲンコツ揚げを発注した。

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10分程で運ばれてきたゲンコツ揚げに早速かぶり付く。

ひと口ではとてもじゃないが食べられない大きさ、オリジナルスパイスが効いた怖いもの知らずな味!これだ、これこそが学生時代の遠野の思い出だ。何か刺激的な当時の記憶が肉汁と一緒に溢れ出てくるようだった。

あの頃は遠野でメシといったら花りんだったなぁ。


ごはん並盛でも恐ろしくボリュームがある定食をゆっくり食べている間、御主人とお姉さんはまたテレビを見て呑気に笑っていた。先程いた客はいつの間にか帰って行き、店内には俺ひとり。

天気も悪いし、皆今日は出足が億劫なのかも。



このまま閉店までのんびりしていても良かったのだが、この後はもう一軒、懐かしい店を訪ねることにしている。昼ごはん(笑)でかなりおなかいっぱいになったので、晩ごはんは控えめにしておこうw

俺は心なしか昔より恥ずかしがりになっている気がするお姉さんに会計を済ませ、店を後にした。


店を出た俺は一旦早瀬の交差点に戻り、バイパスを外れて八幡宮方面へ足を向ける。この先に、2年3ヶ月振りに会いたい人が待っている。