武道考 | 極真・柴田の「言いたいことは言う、ブログ!」

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でも、気を使って言いたいことなんか言ってませんけど…

 1月17日、タレント・風見しんごさんの長女が交通事故に遭って亡くなった。本当に可哀想な出来事だ。同じ年代の子供を持つ親として人事ではない。奇しくも年頭挨拶で「青信号を渡っていても事故に遭う可能性がある。」と記したばかりだから余計に心が痛い。
 
 青信号を信用して渡って事故に遭えばいったい何を信用して良いのかとさえ思う。亡くなった方に鞭打つつもりはない。悪いのは加害者だ。これは間違いない。しかし、自分の身は自分で守らなければならないことも事実だ。青信号を渡る時でさえ左右を確認する几帳面さが必要だし、これは武道としての考え方からすると当たり前の感覚だ。

 例えば、稽古の中で組手を行う。時間が来るとタイマーが鳴る。すると平気で組手の動きを止める者がいる。この気の緩みが怪我に繋がる。試合中ならなおさらだ。もし誰かが間違ったタイミングでタイマーを鳴らしたとしたらどうだろうか。気を緩めた瞬間に相手の攻撃が跳んでくるかも知れないのだ。タイマーが鳴った後、暫くは気を抜かず残身(残心)する事が大切だ。

 青信号のみを信用しない、タイマー音のみを信用しない、自分の目や耳を総動員して安全を確かめる。そんな気の配り方や考え方を身に付けられるよう指導をしていきたい。それがイザと言う時本当に役立つ武道なのではないだろうか。