原発の安全を担保するため算定する、耐震設計の目安となる揺れ基準地震動が、最大の揺れ」ではなく「地震の平均像??
それで事足りる?「審査に過ちない」とする更田委員長と原子力規制委が、
原発の安全の番人”として、相応しいかどうか?極めて疑わしい。

川内原発では、鹿児島県北西部地震で、震度5強、震度6弱の揺れでも自動停止しなかった前科が・・しかも、620ガルに引き上げられた「基準地震動」を上回る639ガルを計測。
原発規制基準 想定しているのは「最大の揺れ」ではなく「地震の平均像」?

大飯原発判決 審査への理解を欠いている?? 読売・社説こそ、真理への理解を欠いているのでは?

 NHKニュースWEB 2020年12月10日 4時06分
「審査に過ちない」大飯原発めぐる判決で原子力規制委 委員長
【福井県にある大飯原子力発電所について、大阪地方裁判所が原発の設置を許可した国の決定を取り消すとした判決を言い渡したことを受け、原子力規制委員会の更田委員長は会見で「私たちの審査には過ちも欠落もなかったと考えている」と述べました。

関西電力の大飯原発3号機と4号機について住民らが、設置を許可した原子力規制委員会の決定を取り消すよう求めていた裁判で、大阪地方裁判所は今月4日、許可を取り消す判決を言い渡しました。

】一部抜粋


 山陽新聞・社説 2020年12月10日
大飯原発の判決 検証を迫られる審査手法
【関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の耐震性に関する原子力規制委員会の審査を巡り、規制基準に適合するとして原発設置を許可したのは違法として、大阪地裁が許可を取り消す判断を示した。

 今の規制基準は、東京電力福島第1原発の事故を踏まえて策定された。それに基づく許可を取り消す司法判断は初めてである。政府が「世界一厳しい」とアピールしてきた基準に基づく審査手法に対して、正面から疑問を投げ掛けた格好となった。

 訴訟では、福井など11府県の住民らが国に許可取り消しを求めていた。争点となったのが、関電が算出した耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の値や、これを基に設置を許可した規制委の判断の妥当性だった。

 判決は、まず関電が、地質調査などに基づいて設定した震源断層面積を経験式に当てはめて出した地震規模の値をそのまま使い、実際の地震規模が平均値より大きくなる可能性を検討しなかったとした。その上で、規制委も上乗せの必要性を何ら検討することなく許可を出したとした。

 そもそも、規制委が作った「審査ガイド」には、平均値をはじき出すのに使った元データの「ばらつき」を考慮すべきだと定められている。判決は、それを行わなかった規制委の審査には「看過しがたい過誤、欠落がある」として厳しく断罪した。

 規制委が、自らが定めたルールに沿っていなかったとすれば審査の信頼性は根底から揺らいでしまう。結果的に、起こり得る地震を過小評価していたとみなされても仕方があるまい。大飯原発の地元にとどまらず、原発が立地する地域には不安も広がろう。

 判決を不服として国が控訴すれば、すぐに設置許可取り消しの効力が生じるわけではない。これまでも、原発の設置許可や差し止めを巡る訴訟などで住民の主張を認める判断は何度か示されてきたが、上級審などで覆り、そのまま確定したケースはない。

 今回の訴訟についても先は見通せないが、上級審の判断を待つまでもなく、審査手法の在り方を検証する契機とすべきだろう。

 原発の安全審査の根底に据えるべきは、東日本大震災の教訓である。地震と津波に原発事故が重なる未曽有の複合災害をもたらした背景に、災害想定の甘さがあったことが明らかになっている。「想定外」はもう通用しない。

 原発はひとたび事故を起こせば極めて甚大な影響をもたらす。その安全について議論するに当たって、慎重の上にも慎重を期すべきなのは言うまでもない。

 福島の事故を踏まえ、原発に依存しないエネルギー政策へとかじを切ることが望まれるが、現実に原発を稼働させていく以上は安全性を高めるための不断の努力が欠かせない。国と電力会社は判決を重く受け止めてもらいたい。】