読売は社説で、基準地震動を 単なる平均値ではなく、ばらつきも考慮せよとした大飯原発判決を、「安全性そのものではなく、審査手順が適切かどうかだけに着目」と、難癖を付けたが・・

大阪地裁、誤った国策にNO!!「基準地震動」に不合理な点…大飯原発の設置許可取り消す判決 

そもそも、原発の安全に関る地震に対する備えが、平均的揺れに対するもので事足りるのか? 
近い将来に必ず起こると想定される、東海地震、東南海地震の揺れが、原子力ムラの期待通り?過去の平均的揺れの範囲に収まるとは、とても思えないが・・

原発規制基準 想定しているのは「最大の揺れ」ではなく「地震の平均像」?
【新規制基準の策定に関わった藤原広行防災科学技術研究所社会防災システム研究領域長は,
2015年5月7日付け毎日新聞記事で、
「実際の地震では(計算による)平均値2倍以上強い揺れが全体の7%程度あり,3倍,4倍の揺れさえも観測されている」「平均から離れた強い揺れも考慮すべきだ」と・・
※ 特集ワイド:「忘災」の原発列島 再稼働は許されるのか 政府と規制委の「弱点」

川内原発:鹿児島県北西部地震では「基準地震動」620ガルを上回る639ガルの揺れ
【鹿児島地裁は「基準地震動」620ガルを合理的としたが・・】

大飯原発「世界一厳しい」?新規制基準揺らぐ 大阪地裁判決に原子力規制委ぼうぜん

原発直下に活断層・・“直撃リスク”のある「17原発」

新潟県中越沖地震から12年、封印された活断層が柏崎刈羽原発を襲い・・

大津波は想定外だったのか?  3.11直前、東電が(津波対策嫌い)地震「長期評価」に横やり?

防災の日 南海トラフ巨大地震想定し 政府総合防災訓練。伊方原発はギリギリ圏外?だが・・
【最悪の場合、死者32万3000人が想定される南海トラフ巨大地震、
東日本大震災で福島原発事故が起こったように、地震発生から1時間後には、
伊方原発を含む佐多岬半島が津波に飲み込まれ、再び原発事故が起こる可能性も・・ 

愛媛県HP・南海トラフ巨大地震≪広域版津波挙動3DCGアニメーション ケース1(WMV:74,206KB)≫には、

地震発生1時間で、伊方原発を含む佐田岬半島全体が、押し寄せる巨大津波に飲み込まれる様子が・・】


 gooニュース・読売新聞:社説 2020/12/08 05:00
大飯原発判決 審査への理解を欠いている
【原子力発電所の安全性そのものではなく、審査手順が適切かどうかだけに着目して違法だと判断した判決と言えよう。


 福井県にある関西電力大飯原発3、4号機について、大阪地裁が、国の設置許可を取り消す判決を言い渡した。東京電力福島第一原発事故後に策定された新規制基準に基づく許可を取り消した初めての司法判断である。

 主な争点は、地震の最大の揺れを想定して関電が算定した「基準地震動」の妥当性だ。原発の耐震設計の前提になる数値で、国の原子力規制委員会は、審査で新規制基準に適合していると認めた。

 判決は、この判断について「看過し難い過誤、欠落があり、不合理だ」と結論づけた。規制委が内規の「審査ガイド」に沿って審査をしていないという批判だ。

 基準地震動は、過去に起きた地震の規模の平均値などから策定する。ガイドには「地震規模のばらつきも考慮する必要がある」と記載されており、判決は「平均値を上回る地震の可能性も検討しなければならない」と指摘した。

 規制委は他の原発も同様の審査方法で許可しており、判決が確定すれば影響は極めて大きい。

 基準地震動の策定では、地震の規模だけでなく、断層の長さや面積など、様々な要素を加味して、十分に安全を確保できる数値を設定するのが一般的だ。

 大飯3、4号機の審査では、関電が当初策定した数値を規制委が大幅に引き上げさせた。東日本大震災など、過去の大地震の教訓を踏まえた対応だ。実質的には、平均値を上回る想定で審査が行われているとみていいだろう。

 リスクを過度に評価すれば、あらゆることは立ちゆかなくなる。判決は結論ありきで、審査の実務を軽視した印象が拭えない。

 九州電力玄海原発を巡る仮処分の裁判で、昨年7月の福岡高裁決定は「ばらつきの考慮は留意事項にすぎない」と指摘し、考慮が必要だとした住民側の主張を「独自の見解だ」と退けている。

 ガイドの記述が解釈の違いを生むというのなら、規制委が表現を修正すればよいのではないか。

 福島原発事故後、原発の運転を認めない司法判断は6件あった。審理中の1件を除き、全て上級審などで結論が覆っている。大飯3、4号機を巡っても、運転差し止めを命じる1審判決を取り消した2審判決が確定している。

 国は控訴した場合、科学に基づいた審査の実情や妥当性について立証を尽くさねばならない。】