では、なぜ赤字とわかっている原発の輸出を進めるのか?
それは、ロシア産核燃料の市場シェア確保のため。

という事は、
日本の原発輸出は、最初から リスクだけが大きい 勝ち目のないギャンブルだった!?

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アックユ原子力発電所建設、技術者の警告


 東洋経済より
ロシア原発ビジネスは本当に「儲かる」のかー海外原発はほぼ赤字、発注国とのトラブルも
【世界で「勝ち組」とみなされているロシアの原子力発電ビジネスが、実際は危うい状況にあることが明らかになってきた。

原発輸出ビジネスを一手に担う大手「ロスアトム」で、発注国との対立や予期せぬトラブルによる建設遅延が多発。計画自体が凍結に追い込まれる事例が出ている。ロスアトムの受注条件を確認したところ、新興国での原発ビジネスが健在であるどころか、ロシアの財政をむしばむギャンブルになりつつあることがわかった。

「成功例」であるかのようにみなされているトルコへの原発輸出も前途多難だ。

アックユ原発の受注条件はロスアトムにとってきわめて厳しい。設計・建設から発電事業、廃炉まですべてを1社で担当するBOO(Build-Own-Operate)方式で、原発にこのモデルが適用されるのは世界で初めてのことだ。建設を担当するロスアトムの子会社「アックユ・ニュークリアー」社は実質100%ロシア国営で、建設だけでなく、発電事業についてもロシア側がリスクを負う。

原発輸出は利益をもたらさない

実は原発輸出がそれ自体では利益をもたらさないことは、ロスアトム関係者も公に認めている。「ロシア企業や他国の企業が海外で建設した原発はほぼすべて赤字だ。これはロシア企業だけの問題ではなく、原発輸出企業すべてに共通する問題」と、ロスアトムの電力・安全センター長を務めるプロコフ氏は述べている(2015年6月29日付Pravda.ruへのインタビュー)。

では、なぜ赤字とわかっている原発の輸出を進めるのか。

ロスアトムは最初から赤字覚悟で原発輸出を進めているのだ。通常の営利企業なら受け入れがたい条件でも、税金や社会保障のための基金を原資とした政府融資があるからこそ受注できる。投資回収の可能性があるとすれば、輸出した原発が安定的に稼働して、ロシア産核燃料の需要が長期的に確保できる場合だけだ。

福島原発事故後の貪欲な原発輸出は、世界の原発市場縮小を見越して、核燃料市場シェアを「先食い」する動きであったと読める。しかし反対運動による建設中止や早期稼働停止ともなれば、核燃料事業も破綻しかねない。ビジネスとしては危ない賭けだ。しかも、国民の税金や社会保障のための基金を浪費するリスクのあるギャンブルなのだ。】一部抜粋