民主党政府の馬淵氏らと東電の武藤栄副社長とで交わした、遮水壁計画を「遅滞なく進める」との密約?が反故にされていたことが明らかに。

 馬淵氏は「計画先送りの経緯を文書で明らかするよう要求」しているが、
東電を適切に指導し遮水壁計画を実現させなかったのは、原子力ムラと親しい野田元総理の意向もあったのでは?

 当時の事情が、2011年06月20日付の毎日新聞風知草:株価より汚染防止だ=山田孝男
【 筆者の手もとに、東電が政府に示した記者発表の対処方針と応答要領の写しがある。6月13日付で表題は「『地下バウンダリ』プレスについて」。バウンダリ(boundary)は境界壁、つまり地下ダムだ。プレスは記者発表をさしている。

 対処方針は5項目。要約すれば「馬淵補佐官ご指導の下、検討を進めているが、市場から債務超過と評価されたくないので詳細は内密に」だ。

 応答要領の中でも愚答の極みは「なぜ早く着工せぬ」という質問に対するもので、ぬけぬけとこう書いている。

 「地下水の流速は1日5センチメートルから10センチメートルなので、沿岸に達するまで1年以上の時間的猶予があると考えている」】一部抜粋


 野田元総理と同じく原子力ムラと親しい安倍政権にも、第一次安倍内閣で「巨大地震による電源喪失」は有り得ないと過酷事故対策を怠り、政権復帰後も東電の手抜き倹約?収束・汚染水対策を放置した罪がある。

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原発汚染水深刻!幻の遮水壁計画・漁師の怒り/報道特集
【福島第一原発の汚染水対策が破綻の危機に瀕している。
今回、報道特集の取材で、実はすでに2年前に、汚染水の流出を防ぐ抜本的な計画案が作成され、公表直前にまで至っていたことがわかった。
なぜ、この計画が葬られ、「幻の計画」となってしまったのか。】

 時事ドットコムより
東電、遮水壁設置を見送り=原発事故直後の6月-民主・馬淵氏が証言
【 東京電力が2011年6月、福島第1原発の汚染水漏れを防ぐため凍土式の遮水壁設置を検討したものの、多額の費用負担による経営破綻を懸念して先送りしていたことが分かった。民主党の馬淵澄夫選対委員長が18日午前の同党会合で証言した。馬淵氏は当時、菅内閣の首相補佐官を務め、汚染水の遮蔽(しゃへい)計画の政府側の責任者だった。

〔写真特集〕福島原発~貯蔵タンクから汚染水漏れ~

 馬淵氏によると、地下水の流入を防ぐため、原子炉建屋を取り囲む遮水壁の設置について、11年6月14日に記者発表する段取りを東電と決めていた。
 しかし、株主総会を控えていた東電側が「新たに1000億円の債務が加算されることで資本市場に混乱を招く」との理由により、記者発表の延期を海江田万里経済産業相(当時)に要請。政府側も「資本市場の混乱は避けるべきだ」として、会見延期を受け入れた。
 馬淵氏らはこの際、東電の武藤栄副社長(同)に対し、遮水壁計画を「遅滞なく進める」ことの確認を取ったという。
 18日の会合には東電の松本純一・原子力改革特別タスクフォース事務局長代理が出席。馬淵氏は計画先送りの経緯を文書で明らかするよう要求した。
 これに対し、松本氏は、遮水壁計画について遅滞なく進めるよう政府側から指示されたことを認めつつも、「確認、了解までは至っていない」と述べ、馬淵氏との食い違いを見せた。】

 ゴミゼロ日記静岡さまより
汚染水ダダ漏れ1000億円をケチった東電の大罪 海江田代表がバクロ みんな最初からわかっていた!
$げんぱつニュース-1

【大新聞はまったく無視したが、今月26日、民主党の海江田万里代表が定例記者会見で、聞き捨てならない事実を明らかにした。なぜ、福島第1原発の汚染水がここまで深刻化したのか。実は2011年当時、吉田昌郎・福島第1原発所長と総理補佐官だった馬淵澄夫・元国交大臣らの間で「地下遮水壁」方式が検討されたのに、東電が財政的理由を口実に実行しなかった、というのである。東電の大罪、民主党政権の甘さ、自民党政権の無責任は断罪されるべきである。

 海江田氏は会見で、2011年に作成された「ロードマップ」(事故収束に向けた工程表)に「遮水壁の検討」が明記されていることを明らかにした。

 このロードマップはその後、改訂され、同年12月の改訂版にはさらに踏み込んで、「遮水壁を作る方向でいく」と書かれていた。

 海江田氏は「(改訂版の表の)矢印は『二〇一四年度には遮水壁ができる』と書いてある」と強調。この工程表通りに対処が進んでいれば、今頃、汚染水でバタつくことはなかった、という見方を示した。

 この時に具体化した「遮水壁」は鋼矢板(鉄製の長細い板)を使った方式で、いま東京電力が進めようとしている「凍土方式」とは異なる。当時も、凍土方式は検討されたが、結論は「実現可能性は低い」だった。広い範囲での工事実績がなかったためで、「凍土方式ではなくて、馬淵補佐官が提案した矢板を入れて地下水を遮水する方式になった」(海江田氏)そうだ。

 それがなぜ、実行に移されなかったのか。

「工事費が1000億円かそれ以上かかるという財政問題だった」と海江田氏は暴露した。
「東電は『費用がかかりすぎる』と、一貫して後ろ向きで腰が引けていた。その傾向は今も続いていて、それが結果的に今日の非常にずさんな監視体制になっているのではないか」

<安倍政権も半年間放置>

 改めて、とんでもない会社だが、民主党政権だって、コトの重大さは分かっていたはずだ。首に縄をつけてでも、汚染水の抜本処理に乗り出させるべきだった。それはもちろん、今の安倍政権にしたって同様だ。

 3月の予算委員会で海江田は「汚染水対策は最重要である」と質問した。答弁を求められた安倍首相は経産大臣に丸投げして、涼しい顔をしていた。汚染水処理の重大性がてんで分かっていなかったのである。

 しかも、今ごろになって、税金を投入して、一度、無理とされた凍土方式を持ち出している。なぜ、再び、凍土方式が出てきたのか。利権がらみか、とささやかれている。東電と安倍政権に任せていたら、絶対に汚染水問題は解決しない。】