除染事業に限らず、原子力ムラや建設業界では、詐欺的ピンハネ行為が横行している。
しかし、業者と癒着している監督官庁はまったく咎めず寧ろ擁護する始末。

 詐欺的ピンハネ、手抜き除染が発覚した業者には、法の裁きを受けさせるのは勿論、
今後の入札参加を永久に禁止するくらいの厳しい処分を下さなければ、何時まで経っても悪徳業者は消えない。

 尤も、それでは大手ゼネコンから、末端の零細業者まで、殆どの業者が引っかってしまうだろうが・・
業者も監督官庁のお役人たちも、それくらい腐れ切っている。

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 東京新聞 社説
国の除染事業 搾取の横行食い止めよ
【 原発事故に伴う国の除染事業が悪質業者の食い物にされている実態が本紙の取材で浮かんだ。
賃金を低く抑えられたり、経費の負担を強いられたり。現場の作業員を搾取する不条理は見過ごせない。

 福島県の旧警戒区域や旧計画的避難区域だった十一市町村で国直轄の除染作業が順次進められている。福島第一原発に比較的近く残留放射線量が高い地域だ。

 元請けのゼネコンを頂点に下請けや孫請け、零細業者や派遣、日雇い…と多様な雇用形態が支える。
末端の作業員が不利益を被りやすい構造は原発事故現場での収束作業とそっくりだ。
 田村市でこんな理不尽な事例があった。例えば、日給一万六千円の約束のはずなのに宿泊代や食事代が
差し引かれ、作業員に手渡されたのは一万一千円余り。

 このうち一万円は、被曝(ひばく)の危険があるとして国が作業員に支給している特殊勤務手当である。
国が無償提供した宿舎にもかかわらず宿泊代を徴収していた。
 税金で賄われる手当を元手にして作業員を誘い、宿泊や食事の代金をつり上げて荒稼ぎする。

そんな“悪徳商法”が横行しているとすれば許されない。
 発注元の国は業者を介さず作業員に手当を直接支払う方法を考えるべきだ。賃金の不当なピンハネにも
目を光らせねばならない。

 作業員の放射線防護や安全管理の在り方を定めた国のルールを逸脱している事例もあった。
 例えば、業者は作業員を雇うときに健康診断を受けさせたり、機械や道具の扱い方を教えたりするよう
義務づけられている。その経費は国が賄う仕組みとされる。

 ところが、健康診断や草刈り機講習にかかった費用を自己負担させられた作業員が多くいた。
その場で支払わされたり、給料から天引きされたりして自腹を切らされていたわけだ。

 業者が国や作業員をだまして不当利得を上げているとすれば、もはや詐欺や横領といった
犯罪行為というほかない。

 除染現場の放射線量や作業員の被曝線量を把握し、作業員に情報を伝える。内部被曝につながりかねない屋外での飲食や喫煙を禁じる。こんな健康管理のルールは有名無実化している。
 汚染の恐れがある作業後の作業服やマスク、長靴、ゴム手袋などの装備品はどう処理されているのかも気になる。作業員が安心して働け、除染の実効が上がるよう国はきちんと責任を果たすべきだ。】