習慣化コンサルタントの古川です。
「お酒がやめられない」
「英語の勉強が続かない」
「早起きができない」・・
このような「続かない」「やめられない」テーマから
思わぬ問題に行き着くことがあります。
クリティカルイシュー(決定的な問題)を見抜かなければ、
習慣化できない現状は変わらないことが多いのです。
今回は、ありがちな、禁酒、英語学習、早起きの悩みを
テーマに深層を探ることの大切さを解説したいと思います。
ケース1.「お酒を飲み過ぎてしまう」Aさん(40台、男性、営業)の悩み
悩みの声
「毎週のように友人や同僚と飲みに行くと、
記憶をなくすまで飲んでしまうんです。
先週も飲み会の後、自宅とは
全く逆方向の電車に乗って寝てしまい
気がついたら大宮。
自宅は横浜なので、結局カプセルホテルに泊まりました。
また、先月は記憶をなくして
家の近くの電信柱につかまって倒れていたら
お巡りさんに保護されました。
この一件で、妻から禁酒を言い渡されています。
古川の解説
「なぜ、飲み過ぎてしまうのか?」を深堀していくと、
仕事でストレスがたまっているといいます。
その原因は上司との人間関係にあり、
上司から依頼される仕事は、短納期のわりに
完璧な質を求められるが、納期をずれ込んだり、
求められる質を下回ってしまうことがあり、
上司から叱責される日々とのこと。
既にお分りの通り、このケースで
お酒のやめ方をコンサルティングしても
何も問題は解決しません。
お酒は現実逃避をして自分を休める手段なのです。
もしお酒をやめたとしたら、
ストレスのはけ口はパチンコなど
ギャンブルに移ってしまう可能性があります。
今回のクリティカルイシューは、
「どうすれば上司からの依頼納期と質を担保できるか?」
「なぜ、納期が遅れ、質のズレが起きるのか?」です。
このAさんの場合、上司の気持ちを尊重しながら
上手に自己主張できるコミュニケーションスキルを
磨くことが解決策になりました。
ケース2.英語学習が続かないB子さん(35歳、女性、事務系管理職)
「英語学習が続かない」
悩みの声
「仕事で英語を使うことがあります。
毎日1時間英語学習を続けようとがんばっていますが、
英語学習を初めても2−3ヶ月すると効果を感じることができず
嫌になってやめてしまいます。
数年来、こんなことの繰り返しで
英語力は一行に向上しません。
中断してどうすれば続けられるでしょうか?」
古川の解説
「どんな時に、やめたくなるのでしょうか?」と聞くと、
ネイティブスピーカーとの会話で、意味が通じなかったり、
聞き取れない単語が多い時だと言います。
自分は英語のセンスがない、
これだけ勉強しても能力が上がっていないと落ち込み、
その自己嫌悪感から英語と向き合えなくなると言います。
ここでのクリティカルイシューは、
「自己嫌悪感によるダメージをいかに減らせるか?」。
その背景には過剰なる完璧主義がありました。
B子さんは、
英語に限らず、仕事においても超完璧主義で、
社内の会議資料もてにおはを入念にチェックしますし、
300件来るメールもすべて目を通して見落としがないように
いつも気を張っていました。
結果として残業も多くなっていました。
「そもそも英語力は本当に高まっていないのでしょうか?」
こんな問いかけから、過去の自分との比較、
ありえない理想や他人との比較から脱却し、
自分の過去と理想との比較で一歩一歩毎日の努力と
小さな成果を実感できるよう、
エクセルに学習量と時間の記録を始めました。
結果として、毎日の小さな進捗を承認でき、
過去の自分との比較により自己嫌悪感が減少した結果、
モチベーション維持ができ英語学習は続くようになりました。
それだけではなく、仕事でも過剰なる完璧主義がなくなり、
余計な自己嫌悪感による落ち込みが大幅に解消して
精神衛生が向上しました。
ケース3.「早起きができない」Cさん(45歳、男性、エンジニア)
悩みの声
「なんとか長時間残業を減らさなければ、
精神的にも潰れそうです。
会社からは残業が多いと目をつけられ、
家では家族と話す時間も取れない。
さらに土日もどちらかは出社する日々。
朝、5時に起きて7時に出社すれば、
すべてがいい循環に回ると想い、
早起きに挑戦しています。
でもどうしても布団から出られず7時半起き、
9時出社になります。
どうすれば早起きができるようになりますか?」
古川の解説
このケースも早起きが
本質的な解決策にならない代表ケースです。
本当に解決したい問題は、残業が多い、
長時間残業から脱却することです。
まず、この問題に深く向き合うことが重要です。
なぜ、残業が多いのでしょうか?
と掘り下げて質問すると、
「同僚からの仕事の依頼を断ることができない」、
「がっかりされたくないと過剰品質の努力をしてしまう」
ということがわかりました。
周りから拒否、批判されることを
必要以上に恐れている思考が見えてきました。
根本的に「自分に自信がない」と自己評価が低いことで、
他人の評価に振り回されるという循環です。
詳細の分析は割愛するので
因果関係が見えにくいかもしれませんが、
クリティカルイシューは、
「自己評価をどのように改善するか?」です。
自己評価が低いことで、
他者評価を過剰に気にしてしまい、
それが過剰な仕事を生み出していました。
Cさんの場合、自分はダメだ、
無力であるという自己評価を修正することで、
過剰に自分を落としめることがなくなりました。
同僚への納期交渉など適切に調整できるようになり、
働く時間は3時間短くなりました。
すべての悪循環の源は、
自己評価の低さだったのです。
一般的に自己評価は幼少期の成功・失敗体験や
親の影響によって形成されていきます。
このように、習慣化のクリティカルイシューを突き止め、
深層を深めなければ、習慣行動が全く問題解決、
理想実現にならないというケースには枚挙に暇がありません。
資格取得を繰り返しても、
落ち着くどころか資格マニアになっていく。
なぜ、そんなに資格が欲しいのか、
何を不安に思っているのかを掘り下げなければ、
本当の問題は解決されないというようなことも
クリティカルイシューを突き止めなければならないケースです。
ぜひ、あなたの続かない、やめられないという
習慣化の悩みもその深層にクリティカルイシューが眠っていないか、
自己分析してみてください。
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