習慣化コンサルタントの古川です。
仏教の言葉に
「薫習(くんじゅう)」
という言葉があるそうです。
円覚寺、横田南嶺管長の
禅が教える人生の大道
で次のように解説されていました。
良い環境、良い仲間と交わっていれば、
香りが身に染みつくように自然とよい教えが身についていく
という意味で使われます。
これを道元禅師は
「霧の中を歩めば覚えざるに衣湿る」
と表現しております。
霧のかかった湿った中を歩いていると、
濡れたなと意識しなくても衣がしっとりしている。
それと同じように、常によい環境に自分を置いていけば、
よいことが自然と身についてくるということです。
環境が人をつくるという話は
仏教の世界にも多くの言葉があるですね。
2年前に私の書籍を扱ってくれている
ある出版社のパーティーにいきました。
著者は、編集者とは関わる機会が多いのですが、
実は営業とは会う機会はないものです。
そんな交流を持たせる意図もあるのでしょうが、
1年に1度大きなパーティーがあり、私も参加しました。
すごく感銘を受けたのは、
この出版社の若い営業たちの
モチベーションでした。
もっと、大きな成果を出したい!
いい企画をして会社に貢献したい。
と飢えているのです。
時短勤務を言われる昨今、
モーレツ社員が浮く時代かもしれませんが、
この会社の社員には瑞々しくも熱いモチベーションが
あるのです。
私は、どこからそんなモチベーションが湧いてくるのか、
興味を持って聞いていると、
「同期の社員が良い企画でどんどん結果を出しているから」
と言います。
決して競争が厳しいというよりも、
結果を出す社員がますます良い仕事を任せてもらえる。
そして表彰されていく。
これが同期に刺激を与えあっているのです。
営業成績を張り出して、危機感と数字で追い込まれている
モチベーションとは全く違う。
これは、
「今のままではマズイ!」という良い意味で
自分の殻を破る環境からの刺激です。
GEという世界企業は
人材育成でも有名ですが、
その中でも「ストレッチ」は広く一般的に知られています。
現状の能力や成果を一回り超えること。
このストレッチは、
一人でできるというよりは、
環境の影響が強い。
私たちはいつも通りが大好きで、
心は「安全・安心・安定」に引っ張られていきます。
その現状維持の引力から
抜け出すために、良い刺激と成長をもたらしてくれる
環境に身をおくことが重要です。
「朱に交われば赤くなる」
もそうですが、人生を変える智慧がここに眠っていると思います。
悪い習慣 悪い環境に身を置く
良い習慣 良い環境に身を置く