習慣化コンサルタントの古川です。
書評家としても名高い、
ホラノコウスケさんからお勧めされた本
「五感の哲学」を読みました。
この本は、視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚を
一章ずつ丁寧に書いている本で、
理論書ではなく、著者の加藤博子さんがはじめに
「私個人のうちに広がる小宇宙を五感を通して冒険している、
その探検を記しただけです」
と書かれているように、一人称での感じて、考察した著書です。
でもだからこそ、読みながら感じることができる。
自分の中で錆び付いて眠っている
五感のセンサーを1つずつ、スイッチオンしていくような感覚をあじわえます。
さて、
深く感じる!
という習慣は、そのままマインドフルネス、
今に生きることと100%つながります。
今、ストレスを癒す方法として、
集中力を向上させる方法として、マインドフルネスが
注目されていますが、簡単に言えば今に集中すること。
そのためには、何をすればいいかというと、
五感を鋭敏にすることに他なりません。
呼吸に集中する方法もあるし、
身体感覚で全身を感じる方法もある。
今の景色、音、風の強さ、肌の感覚に
100%フォーカスすれば、今この瞬間ゾーンに入ります。
これがマインドフルな状態です。
さて、五感の哲学の中に、
このような文があります。
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ゲーテは、あらゆる機会を捉えて、
克明なスケッチを描いていました。
何であれ、興味を惹かれたものは、よく見ようとしたのです。
ひるがえって私たちは、どうでしょうか。パシャと写真を撮って、
それで安心してしまい、それ以上はろくに見ようとせず、
通り過ぎてしまったりしてはいないでしょうか?
スケッチをするように見る、子供の体調を気遣って顔色を見る・・・・。
つまり、微妙な変化を感じつつ、時間をかけて、
じっくりと見続けることが、私たちの視覚が本来もっている力を
発揮する鍵となるのではないでしょうか。
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昨年、千鳥ヶ淵に桜の見物に行った時、
子供のトイレを待っている間、ぼーっと見物客を観察していると、
同じことが起きていました。
頑張っているのは目の前の桜を見ることではなく、
携帯でいかにいいアングルで写真を撮るか。
そしてその写真をニンマリしてみながら歩いていく人たちを見ていて、
「もったいないなー」と思っていました。
今しかない、生きている桜がここにあるのに、
それを見ることさえしていない。
下手をすると、携帯越しにしか桜を観ていない。
もしくは撮った写真を確認して見た気になる。
ゲーテがスケッチしていたときに
見ることはできなくても、本当に視覚で味わうというのは
目の前の対象物を時間をかけてじっくり観察すること。
こうしなければ味わえない美しさがあるのですよね。
とまあ、いろいろ書きましたがとても私も偉そうなことは言えません。
でも、だからこそ感じる五感センターをフルで使ってみる習慣を日々意識して
いきたいと思います。
通勤の行き帰りの道、で試してみてください。
しっかり見ると、当たり前の光景に、違ったものが見えます。